朧気。 【絆の数珠繋ぎ編】~第参幕~

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【絆の数珠繋ぎ編】~第参幕~ 

白虎に引き続き、玄武まで戦闘不能になった。
そんな状況の中、博雅の勝負に割って入ったのは・・・


-----------------------壱、大勝負

犬夜叉「これで残りは、お前の蜥蜴だけだぜ・・・」

博雅「・・・。ふっ、そのようだな。貴殿らの実力は認める・・・だが、私は認めてもおらぬ上に負けてもいない」

青龍『ギャーーーーーーーーーーーーーーーース!!!!!!』

屋敷全域に、地響きと怒りの雷鳴が迸る。
青龍と博雅の心が共鳴し、雷撃を生み出したようだ。
もはや戦いは、敵味方関係ない状況となった。

かごめ「きゃあああああ!!!」

弥勒「な、なんて技を繰り出すんだ・・・!このままでは我々も危ういぞ」

珊瑚「アンタあいつの仲間なんでしょ!?止めに行ったらどうなの!!」

帝「無理よ!一度博雅を怒らせちゃったらあたしでも手を付けられなくなるもの」

蛮骨「これじゃあ俺達も技を出せねぇぞ!?どうすんだ犬夜叉」

犬夜叉「・・・流石に俺の金剛槍破でも、あの雷撃はどうしようも出来ねぇ・・・!」

弥勒の結界で縮こまる中、博雅の雷撃を掻い潜って来た者がいた。
その人物は・・・椿と空幻だった。
約束通り、参戦に来たようだ。

七宝「・・・!?あれ、椿ではないか!?」

燕「あ、姉上!!?」

帝「あの子・・・牢獄から出て来たのはいいけど、まさか青龍と戦う気なの?!」

かごめ「戻って椿ちゃんっっっ!・・・きゃっ!!」

空幻『もう、後戻りは出来まへんで椿はん・・・』

椿「彼らを救う為なら、こんな命・・・惜しくありません」

博雅が仁王立ちする前に、空幻と椿はづかづかと歩いていく。
かなり度胸が据わっている。

博雅「・・・椿、それに空幻。あの連中の味方になるつもりか?」

椿「ええそうです兄上・・・この大掛かりな喧嘩を、止めに参りました」

空幻『今までよくも椿はんの意見を無視しおったなぁ!!椿はんはただ悪いモンをええモンに改善して絆を深めたかっただけやのに、それを・・・意見聞く前にあっさりと殺してしもうて・・・。悪いのはそっちやろうが!』

博雅「いい者は受け入れ、悪い者は排除する・・・これが安倍四兄姉の掟。悪い者を消し去って何が悪い」

空幻『っ・・・!この-------』

椿「・・・冷静になって、ね?」

空幻『椿はんがそう言うなら・・・』

歯を喰いしばり、怒りを露にする空幻を真っ先に止めたのは椿だった。
対照的に椿は、怒りを一つ表そうとしない。
博雅は、椿に絆の理論を問い質す。

博雅「ならば問おう、お前の言う絆とは何だ」

椿「・・・絆とは、数珠の糸のように繋がって出来ているモノだと私は思っています。
悪い性格を持った妖怪も亡霊も、元は人。
過去に犯してしまった過ちを一つ一つ改善し、少しずつ取り除いていけば悪い行いから良い行いに変える事も可能。
・・・そう、七人隊の皆さんもまたしかり。彼らも、元は殺戮を繰り返した傭兵の死人でした。
私は彼らに寿命を与え、新たな命を吹き込んで性格を改善させてあげようと試みました。
最初は恩義も忘れてしまったのかと思いましたが、彼らは律儀に私の約束を守ってくれたんです。そして、今のような性格に・・・」

博雅「・・・お前一人でだと?あの、私に泣き縋っていた甘えん坊のお前がか?!」

椿「犬夜叉さん達に出逢って、私も変わりました。私に心の強さを教えてくれたのは、犬夜叉さん達のお陰なんです」

犬夜叉「椿・・・」

かごめ「椿ちゃん・・・」

椿「ですから今度は・・・彼らに代わって、私がお相手致します!!」

博雅「・・・いいだろう・・・こちらも妹分のお前とて、手加減せぬ!!!」

青龍『ギャーーーーーーーーーース!!』

博雅と青龍は再び、攻撃態勢に入った。
朱雀も椿の号令で、戦闘状態化した。

椿「朱雀」

朱雀『ピルルルルル』

椿「攻撃形態・焔の鳥」

朱雀『ピィィィィィィィィ!!!』

椿「憤怒の羽根!!」

戦いは、犬夜叉達以上に凄まじくなり始めた。
朱雀の羽ばたいた羽根が炎を纏い、一斉に青龍を攻撃する。
負けじと博雅も、防御に入った。

博雅「守りの鱗楯」

椿「くぅっ・・・守りが固いですね・・・!」

空幻『さすが東方を守る激獣・青龍・・・対なる守護獣・朱雀じゃ歯が立たへんな』

かごめ「椿ちゃんすごーい!!」

珊瑚「本気を出せば、あんなに戦えるんだ・・・」

帝「四神の中で朱雀の分野は、守りと戦闘に入ってるからね」

弥勒「今どちらが勝っているのですか?」

燕「互角・・・いや、兄上の方が勝ってるっぽいなぁ・・・」

七宝「おら、椿が勝つと信じておるぞ!」

犬夜叉「七宝・・・」

かごめ「・・・そうね、今は椿ちゃんと朱雀が勝つ事を信じてあげましょう」

帝「燕、アンタはどっちに賭ける?」

燕「・・・決まってるでしょう、姉上ですよ!!」

帝「じゃあ、あたしも椿に賭けるわ。博雅の泣いて悔しがる顔が見たいしね~」

朱雀と青龍の怒涛の戦いは、まだ決着が着かないでいた。
両者共に、一歩も譲らない気でいるようだ。

椿「第弐攻撃形態。氷の鳥」

朱雀『ピィィィィィィ』

椿「絶対零度の疾風!」

博雅「昇火だ、青龍」

青龍『キシャーーーーーー』

屋敷全体が、全て凍てついた。
犬夜叉達は身震いを始める。
寒いと思ったら、今度は暑くなった。

蛇骨「さ、さ、さ、寒ぃ~~~~・・・」

七宝「と思ったら暑くなったぞ」

博雅「(あのような技まで教え込んだのか、椿のヤツ・・・。客人の半妖も十分強かったが・・・。)思った以上にやるな・・・以前のお前の朱雀は、こんなに強くなかったハズだが」

椿「あれから、この子も鍛えたんですよ。守るだけでなく、戦えるようにと・・・。もう、兄上達の足は引っ張らないと決めましたからね。ここで決着をつけてあげます」

博雅「・・・面白い。では、青龍の究極奥儀を防いでみろ!・・・青龍ッ、滅びの迅雷」

青龍『ギャーーーーーーーース!』

青龍は最初の時より更に酷い、迅雷技をお見舞してきた。
弥勒の結界にも、亀裂が入る。
結界が破られたと同時に、燕と帝が交代で結界を張り始めた。
破られるのも、時間の問題だった。

弥勒「い、いかん・・・結界が破れるっ!」

珊瑚「何とか持ち堪えて、法師様っ!!」

弥勒「・・・む・・・無理です・・・!!・・・うわっっ!!」

かごめ「きゃーーーー!!!」

七宝「も、もうダメじゃああああ!!」

空幻『・・・何ボヤっとしてんねん!!手を貸しなはれ、帝はん!!燕はん!!』

帝「分かったわ」

燕「皆さん、僕達の後ろに下がって!」

帝&燕「・・・オンハラミタソワカ ウンジャクソワカ 急々如律令!!」

蛇骨「おおっ、やるじゃねーか陰陽師兄姉!」

珊瑚「でも・・・いつまで耐えられるか、時間の問題じゃない!?」

帝「そ、そうなのよ・・・!」

燕「これだけの結界を張ると・・・さすがに・・・霊力が・・・」

椿「(このままでは姉上達が危ない・・・!これを防ぐには・・・)・・・朱雀、守と攻撃の同時究極奥儀をやりますよ」

朱雀『ピルルル』

椿「・・・最究極奥儀形態・・・守功の鳳凰・天照」

朱雀『ピュイイイイイイイイイ・・・!』

帝達は、一斉に朱雀を見た。
朱雀は光を纏い、不死鳥のような擬態になっていた。

帝「何、あの技・・・?!」

燕「攻撃力と防御が、合わさっている?!」

空幻『あれは・・・巫女の主人と朱雀しか使いこなせへん四神の中の最究極奥儀』

帝&燕「さ、最究極奥儀!!?」

空幻『最究極奥儀は守と攻撃を同時に発生させる一番霊力高い技で、並大抵の巫女じゃ扱えないって晴明はんや巫女長はんが言うとったなぁ』

かごめ「巫女長?」

空幻『巫女の中で最も偉いお人で、椿はんのもう一人の恩師や。こう見えてもウチ昔、巫女修行しとってな・・・まぁ、妖怪になる道を選んで追い出されてもうたけど・・・。かごめはんも今度逢ぅてみるか?』

かごめ「うん、一回だけなら・・・」

七宝「あ、青龍がやられかけておる!」

七宝の言う通り青龍は全身傷だらけになり、瀕死の重傷を負っていた。
そしてついに・・・倒れ込む。
博雅の敗北が、決まったようだ。

博雅「・・・青龍、よく頑張った・・・私とお前の負けだ」

青龍『・・・』

博雅「勾玉の中でゆっくり休め」

椿「・・・あの、兄上・・・私・・・」

去り際、博雅は椿の頭をわしゃわしゃと撫で回す。
博雅は椿に負けと認めたらしい。

博雅「・・・ったく、兄分の私以上に強くなりおって!」

椿「ひゃあぅっ!」

博雅「私の完敗だ、煮るなり焼くなり好きにしろ」

椿「・・・え、えーっと・・・」

そう言った背後から、犬夜叉達が鬼のような形相で博雅を睨み付けた。
椿の代わりに殴りたいようだ。

蛮骨「俺らを巻き込んだ落とし前、きっちり付けさせてもらうぜ・・・」

犬夜叉「1発・・・いや、50発殴らせろ!!!」

博雅「ヒィッッ!!!つ、燕・・・何とかし・・・ろ・・・」

燕「いいえ兄上、僕も殴らせて下さい・・・」

博雅「・・・!!!あ゛ーーーーーーーーーーー!!!」

椿「ふふっ」

帝「つーばきーー!よくやったわ、あの博雅をギャフンと言わせちゃうんだなんて!」

椿「・・・あの・・・姉上、どうして今まで私を苛めていたんですか?」

帝「・・・アンタを一人の妹分として、強気の性格に鍛える為に苛めていたの。決して日頃の鬱憤溜まってとか、嫌がらせじゃなくて。この組織に入りたてのアンタはすぐ博雅の後ろに隠れて、戦おうとしなかった・・・。それじゃダメだと思ってね・・・苛めの中で生き抜いていくのも知恵の一つだったから。こう見えてもあたし、苛められていたのよ」

椿「姉上が?」

帝「うん。・・・!椿、傷口が・・・」

椿「あっ、さっきの戦いで開いちゃったみたいですね」

今度こそ椿の顔に、満面の笑顔が戻った。
帝が勝ち誇った椿を見て、嬉しさの余りに抱きつく。
その瞬間、帝の着物が紅く染まる。

帝「大変!すぐに手当てしないと!!ねぇーーー、医者はいないのーーー!?誰か来てーーー」

かごめ「どうしたの?!」

帝「椿の脇腹から、血が出ちゃって・・・」

かごめ「帝さんはここにいてっ、睡骨呼んで来るから!睡骨ーーー、椿ちゃんがーー・・・」


------------------------------弐、男気煉骨

睡骨はかごめ達と椿の部屋へ行って、傷の手当を施していた。
戦っている最中、また傷口が開いてしまったらしい。
何故か煉骨と蛇骨だけ、廊下に放り出されている。

煉骨「・・・ったく、何で俺らは入っちゃいけないんだよ」

蛇骨「残念だったな、煉骨の兄貴。椿の裸、拝み損ねてよぉ」

煉骨「何馬鹿な事言ってやがる!」

蛇骨「だって兄貴さァ、椿は他の女共と比べてめちゃくちゃ可愛いじゃねーか」

煉骨「・・・まぁ」

珊瑚「可愛くなくて悪かったね」

煉骨「・・・!」

睡骨(善)「手当ては終りましたよ」

煉骨「それで・・・今椿はどうしてる!?」

睡骨(善)「安心して下さい、戦い疲れて寝てます」

煉骨「命に別状はねぇんだな?」

睡骨(善)「ええ、止血しましたから」

かごめ「随分椿ちゃんの事気にかけてるわね・・・もしかして好きになった?」

煉骨「ちッ・・・ちげーよッッッ!!誰があんなガキに惚れるかよッッ!////」

空幻『ほな何でほっぺた紅ぅなってんねん』

煉骨「・・・!!!ほっといてくれ」

煉骨がuターンで廊下を行き来しようとした矢先、空幻が何かの気配を感じ取る。
聞けば、屋敷主人が帰って来たとの事だった。

空幻『・・・晴明はんが帰ってきおったな~、えらいこっちゃ!庭荒れまくっとるさかいに、大目玉食らうわ』

かごめ「晴明?もしかして、あの安倍晴明!!?」

空幻『晴明はん、知ってはるんか?』

かごめ「だって、あの大陰陽師でしょ?!一度逢ってみたいと思ってたのよね~」

空幻『・・・まぁ、晴明はんは客人には優しい人やし・・・逢いたいんやったらウチについて来ぃ』

かごめ「うん♪」

空幻に誘われて、かごめは一緒に玄関の門まで晴明と名乗る屋敷主人を迎えに行った。
逢った瞬間、かごめは驚く。
屋敷主人の顔は、昼間逢ったあの男だったからだ。

空幻『お帰りなさい晴明はん』

晴明「椿は、屋敷に帰って来たか!?心配して四国と東北まで捜しに行ったのだが」

空幻『おりまっせ。今ちょっと怪我して療養中やけど』

晴明「療養中?私の留守中に何かあったのか!?」

空幻『・・・ちょっと、な・・・ははっ』

かごめ「あれっ・・・貴方は昼間の・・・」

晴明「ああ、名乗り遅れて申し訳なかったなお客人。私がこの屋敷の主人、安倍晴明と申します。以後、お見知りおきを」

かごめ「うそっ・・・全然気付かなかった・・・。」

晴明「所で、留守中に何をしていた?」

空幻『えーっとぉ・・・客人と博雅はんが喧嘩を・・・』

晴明「喧嘩?博雅がか?何をバカな事を言って---------」

屋敷の庭が荒れている様を見て、晴明は一気に肩の力が抜けた。
庭は雷撃で地割れし、植木は見る影もなく、食糧庫も崩壊して野菜だの米だのがぶち撒けられている。
呆れて物が言えなかった。

晴明「・・・・・・。」

かごめ「も、元は博雅さんがあたし達を嗾けてこんな風になっちゃったんです!!」

空幻『せやせや!兄さんが悪いんや』

晴明「・・・はぁ・・・また屋敷の復興作業か。この状況だと式神を使っても丸14日はかかりそうだ」

かごめ「あたし達もお手伝いしますよ、晴明さん!」

晴明「すまぬな、お客人。では、明日頼む」

その夜、全員大広間で雑魚寝して夜を過ごす事になった。
広い広間のハズなのに、寝相の悪い蛇骨と七宝と蛮骨はあっちこっちに転がって眠りこけている。
疲れきって就寝したいハズの煉骨は、彼らに顔を蹴られながら遠くに回避して寝転がった。
が、やはり蹴られ続ける方が多かった。
仕方なく、椿の部屋で休もうと部屋を移動した。

七宝「くーーー・・・かーーーー・・・」

蛇骨「いひひひっ・・・待てよぉ博雅ぁっ!」

煉骨「いでっ・・・!!(ったく、寝相の悪い連中だ!椿の部屋で一晩だけ寝かせてもらおう・・・)・・・あ」

帝「すー・・・すー・・・」

椿「くー・・・」

煉骨「(邪魔しちまったな)」

廊下は月明りで照らし出され、夜でも明るく感じた。
椿の部屋に差し掛かり、起さないように障子を開けて部屋に入る。
が、帝が椿と一緒に寝ていたではないか。
邪魔をしないように、部屋を立ち去った。
翌日、犬夜叉はかごめに叩き起こされる。
屋敷の復旧作業を手伝え、との事だった。

かごめ「ほらっ、犬夜叉起きて!晴明さんちの復旧作業やるわよ」

犬夜叉「ん゛~~・・・別にいいじゃねーかよ」

弥勒「よくありませんよ犬夜叉、泊めて頂いて貰っている間は何か手伝わないと」

珊瑚「そーそー、恩返しは大事だよ」

雲母『みゅーん』

珊瑚「七人隊はもうとっくに起きて手伝ってるんだから」

犬夜叉「けっ」

睡骨・蛇骨・蛮骨は帝と博雅で、壁を補強する為の板を作っていた。
切っては壁を造り直している。

蛮骨「おーい、板出来たぜー」

帝「ありがとう。そっちの方に置いてくれる?」

蛮骨「任せろっ!」

燕「器用ですねー、蛇骨さん」

蛇骨「ん?すげーだろ!こんな木、一本から戸板1000枚は切り刻めるぜ」

睡骨(善)「蛮骨さんにやらせたら、がたついてしまいますからね」

蛮骨「睡骨てンめ~~~!」

帝「ふふっ」

そして銀骨・煉骨・傷の癒えた椿は新たに食糧の買出しの為市場に出向いていた。
銀骨の荷台には、大量の食糧が積まれている。

煉骨「次は何を買うんだ?」

椿「お米50俵です、蔵にはあれくらいありましたからね。それに空幻がよく食べるし、今は犬夜叉さん達がきてますから」

煉骨「ま、確かにそうだ」

椿「今晩はご馳走にしますね」

煉骨「・・・楽しみにしてる」

椿「・・・あ、お米屋さんです。すみませーん」

主人「おや椿様、いらっしゃい。いつもの5俵だね?」

椿「いえ、今日は50で・・・」

主人「ごっ・・・50!?何かあったのか?!まさか、食糧困難?!」

椿「ち、違います!昨夜ちょっと兄上とお客人がモメて、食糧蔵を壊しちゃって・・・それで・・・」

主人「それはそれは・・・今日は余分に2俵おまけしとくよ」

椿「ご丁寧にどうも」

主人「重いよ?一人で全部運べるか?」

椿「時間をかけて運びます。よい・・・しょっ」

椿は重そうに1俵6kgもある米俵を、銀骨まで運ぼうとした。
いても経ってもいられない煉骨は、軽々と米俵2俵ずつ持ち上げて銀骨まで運び出す。

煉骨「俺が全部運んでやるから、椿は銀骨と待ってな」

椿「は、はい・・・」

外へ出て、食糧を積んだ銀骨にちょこんと腰掛ける。
銀骨は椿を見るなり、彼女を励ます言葉を贈った。

銀骨「・・・椿、何故落ち込んだ顔をする」

椿「えっ・・・私、落ち込んだ顔してました?」

銀骨「ぎし。煉骨の兄貴に怒られてしょんぼりしてた」

椿「そう・・・。なるべく煉骨さんの足手纏いにならないようにと思ったのですが・・・ダメですね、私」

銀骨「・・・。椿、さっきみたいに笑え。椿には、笑顔が一番似合う。椿が笑ってないと、兄貴が心配する」

椿「銀骨さん・・・ありがとうございます」

椿が銀骨から降りた瞬間、男とぶつかった。
男は椿に謝りもせず、逃げるように去って行った。
巾着をスられた事に気付くと、泣き出してしまった。

椿「(人が混んで来たな・・・)きゃっ!」

男「ってぇな、気をつけろ!!」

椿「すみません。・・・あっ!!」

煉骨「椿ー、米の代金払えって・・・。・・・?どうした」

椿「巾着が・・・お金をスられてしまったみたいなんです・・・。あの巾着、母上の形見だったのに・・・」

煉骨「・・・!!」

煉骨は無言で走り出し、椿の巾着を盗んだ男を必死で追った。
男を捕らえると、巾着を奪い返し、巡回していた博雅に明け渡した。

煉骨「てめぇ、さっき巾着スったろ?返しやがれ」

男「ちっ!」

煉骨「おい博雅、こいつ盗人だ。宮廷に連れてけ」

博雅「何!?貴殿、ちょっと宮廷まで来い!!」

男「いでででで!」

博雅「盗人捕虜の協力、ご苦労であった」

米屋の前まで戻って来ると、巾着を取り出して椿に返した。
椿は安心した笑みで、煉骨に微笑む。
代金を支払い、銀骨に乗って晴明邸に帰宅する。

煉骨「・・・ほらよ」

椿「あっ・・・私の巾着!」

煉骨「母親の形見なんだろ?次から失くさないように腕にでもくくり付けとけ」

椿「・・・はいっ!」

その日の夕食の事だった。
おかずは皆四品ずつに対し、煉骨だけ一品多かった。

蛮骨「なァ、何でお前だけ一品多いんだよ?」

煉骨「・・・椿が巾着取り返してくれたお礼にって、俺だけおかずを一品余分に作ってくれたんだ」

睡骨(善)「へぇ・・・冷酷な煉骨さんが椿さんの巾着を・・・。」

珊瑚「人は見かけによらないって言うけどね」

煉骨「・・・」

椿「でも・・・今日一緒に買出しに行った時、煉骨さんは力の弱い私に代わって色々お手伝いしてくださったんです。・・・その時の煉骨さん、すごく・・・男らしくてカッコよかったんですから!」

かごめ「分かった分かった、分かったから落ち着いて椿ちゃん・・・」

空幻『・・・なるほどぉ、熱弁するほど絆が深まりかけてきたんやな二人とも。感心感心』

七宝「ひとまず安心じゃな」


                 【絆の数珠繋ぎ編】第参幕、終
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プロフィール

朧幻龍

Author:朧幻龍
京都に強い憧れを持つ大阪在住の変態女人絵師
蒼龍ファミリーと安倍四兄姉の生みの親

リアルとブログでは性格が真逆
映画GS美神の蘭丸に対して異常な性欲を抱く

好きなもの:にゃてんし、my創作キャラ、七人隊、蘭丸
信じるもの:自分の才能と絵の腕前、安倍晴明と織田信長の威光

秋山澪

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