朧気。 ~私が四兄姉に入った理由(ワケ)~【空幻編】

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~私が四兄姉に入った理由(ワケ)~【空幻編】 

これは、ウチが晴明はんに仕える前の物語や。
-----------------壱、狐と娘

今から100年ほど前、隠れ里の山奥に一人の女人と狐が住んでいた。
女人の名前は空子・狐は幻といい、両親を流行り病で亡くし、今はひっそり生活している。

空子「ほーら、幻。お稲荷さんの皮やで~」

幻『キューン』

空子「ごめんなぁ、またどっかからもらって来るさかいに・・・。いい子で待ってるんやで?」

幻『キューン』

空子「ほな、またお仕事行って来るわ~」

いつものように、空子は幻を残して屋敷の奉公に出かけた。
そんなある日の事だ。
彼女達の住む山奥に、妖怪が現れた。
腹を空かした妖怪は、人や馬を構わず喰らっている。
やがて妖怪は、空子の小屋で飼っている幻にまで目をつけた。
幻は巨大な妖怪相手に、威嚇する。

幻『フーーーーーーーーーッ!』

だが、そんな威嚇も効かぬまま幻はあっけなく妖怪に食べられてしまった。
残されたのは、亡骸と幻の成仏出来ないまま残された霊魂だった。
一方、妖怪の騒ぎに気付いた空子は屋敷を飛び出して小屋まで走った。
小屋まで戻った空子は、その場で愕然と佇む。
たった一匹の家族である幻を失い、一晩中嘆き悲しむ。

空子「幻!大丈夫やった・・・か・・・。・・・げ・・・ん・・・?う・・・嘘やろ・・・。っく・・・ひっく・・・げーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!嫌やぁッッ、ウチを置いていかんといてェなぁっ!!アンタだけがウチの大事な大事な家族やのに・・・」

空子が嘆く背後に、一人の男が様子を伺う。
それは、先程の妖怪を退治した陰陽師だった。

---------------------弐、第二の人生

空子「・・・?おっちゃん、誰や」

?「私か?私は安倍保名(あべのやすな)、陰陽師だ」

空子「陰陽師・・・?」

保名「その狐は、貴殿が飼われていたのか?」

空子「そうや・・・幻言うて、ウチの大事な家族やってん。ウチがな、山まで猪狩りに行った時一匹だけこの子が淋しそうに啼いてたんや。最初は山に帰すまで飼うつもりやったんやけど、いつの間にか懐いてもうて・・・気がついたら家族になってた。・・・せやけど、もうウチに家族も家も何もない。一人ぼっちのウチは自害して彷徨い、幻も動物霊になって誰かに憑依して、村の人に取り憑くやろ・・・」

気の毒になった保名は、こんな妙案を出した。
それは、空子自身が妖怪になればいい・・・という事だった。

保名「・・・これ以上、里に被害を出す訳には参らぬ。ならばいっその事、お主自身がこの里の守り幽霊となってはいかがか?」

空子「ウチが・・・里を守る幽霊やって・・・?」

保名「邪悪な動物霊になるより、貴殿自身と一体化する方が狐も喜ぶであろう」

空子「・・・せやなぁ・・・。決めたっ!ウチ、この里を守る狐幽霊になるわ!!」

保名「では、私の屋敷に参られよ」

保名の屋敷に招かれ、空子は広い屋敷をキョロキョロと見渡す。
自分より綺麗な着物を着た女人が、いっぱいいる。

空子「あの~・・・ウチだけ場違いちゃうんやろか?」

保名「何を言う、これは全部式神だよ。この屋敷にいるのは私の子供の晴明と、妻の葛の葉だけだ」

空子「晴明?」

保名「そう。次期に私に似た陰陽師になり、隠れ里の守り人となろう・・・。お主にはまずこの屋敷に仕える狐幽霊となり、新しく迎える”安倍四兄姉”の守備任務をやってもらう」

空子「は、はぁ・・・。ウチに出来るかな~、そんな難しい事」

保名「大丈夫、幽霊の躯になれば何処へでもひとっ飛び出来るし、あらゆる能力が身につく」

空子「ホンマかな~」

保名「それはお主が幽霊になってみぬと分からぬ!さぁ、そこの星型の陣形に座りなさい」

謎の方陣に座らされ、空子はじっと保名を見つめる。
保名が何やら術を唱え始めると、空子の躯は徐々に軽くなっていった。

保名「”彼の者に飼われていた狐の霊よ、今より彼の者と一体化し、妖女となれ・・・”」

空子「・・・。ん?あ、あれっ!!?ウチ、宙に浮いてる!!身体がめっちゃ軽い~~~~!!」

保名「今からお前の名前は空子ではなく、空幻と名乗るように」

空幻『空・・・幻?何で空幻なん』

保名「お前の名前の”空”と、狐の"幻”という名前を足したからだ。名前も、お前の躯の中にも狐が一緒にいられるように・・・ってな」

空幻『ウチの中に、幻が・・・』

保名「それより、晴明と四兄姉の指南を頼んだぞ」

その後空幻は初代安倍四兄姉と保名・葛の葉が亡くなるまで仕え続け、100年以上生きた。


----------------------参、次の役目

晴明は、次の安倍四兄姉になる者が来るまで空幻と長い時間を過ごしていた。
それなのに、いつまでも若く、歳を取らない容姿をしている。

晴明「父上が亡くなって、随分経つなぁ・・・」

空幻『せやけど、晴明はんはいつまでも若いんやな』

晴明「・・・私の一族は50年以上生きても不思議ではない。誰にどう見られていようと、私は若い外見のままだ。それも全て、狐妖怪である母上の血を受け継いでいるからかもしれぬ」

空幻『ああ、葛の葉様か・・・。ウチも娘みたいに、よぅ可愛がってもらってたっけ』

晴明「・・・さて、今日は新たに四兄姉の意思を継ぐ4人の子供達が屋敷に来る。彼らの面倒を、最後まで頼んだぞ・・・」

空幻『合点承知の介!』

晴明の屋敷に連れられてやって来たのは、巫女と神主の双子と御曹司、そして遊郭を飛び出した少女だった。
この4人が後の、安倍四兄姉になろうとは・・・。

                            【空幻編】終
  
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プロフィール

朧幻龍

Author:朧幻龍
京都に強い憧れを持つ大阪在住の変態女人絵師
蒼龍ファミリーと安倍四兄姉の生みの親

リアルとブログでは性格が真逆
映画GS美神の蘭丸に対して異常な性欲を抱く

好きなもの:にゃてんし、my創作キャラ、七人隊、蘭丸
信じるもの:自分の才能と絵の腕前、安倍晴明と織田信長の威光

秋山澪

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