朧気。 ~私が四兄姉に入った理由(わけ)~【燕編】

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~私が四兄姉に入った理由(わけ)~【燕編】 

これは、僕が四兄姉に入る前の物語です。
----------------------壱、生き別れの運命

10年前、隠れ里が今の都になった頃、一軒の神社に双子の男女が生まれた。
その神社の妻は今まで2度死産していた為、大変喜んだ。
だが、夫の方はどうも嬉しくない。

桜「あなた、双子の男女が生まれましたよ」

隼「おお、そうか。・・・しかし、この神社の古で双子の男女が生まれた場合・・・男子は山寺に10年間預けて修行をさせ、女子は巫女の神殿に舞を習わせろという慣わしがある」

桜「じゃあ、一緒には住まわせられないの?」

隼「少なくとも私達と一緒にいられるのは、3年間だけだ」

桜「・・・」

隼「だが心配いらない。二人が無事に修行を終えた頃迎えに行って、都にいる陰陽師の下で再会させる」

桜「私達はどうなるのです?」

隼「神社の勤めに専念し、二人が立派な四兄姉になって帰って来たら温かく迎い入れる。それから、家族4人で暮らせばいい」

桜「・・・そうですね」

隼「所で、子供の名前はもう決まったのか?」

桜「男の子は”燕”、女の子は”椿”と名付けました」

隼「椿と燕か・・・。燕は野生の鳥のように逞しく、椿はたおやかな花のように育って欲しいな」

3年後、双子の椿と燕は両親の血を受け継いですくすく育ち、人々に愛される子に育つ。
そんな仲のいい双子だったが、遂に別々で修行をする日が訪れた。
一緒じゃないと分かると、燕は泣き出した。

隼「燕、お前は上篠家の長男だ。それ故、その甘えた性格を捨てなければならない。だから今から父さんと一緒に、知り合いの和尚様の所に行くから。いい?」

燕「あねうえもいっしょにいくの?」

隼「椿は、母さんと一緒に巫女だけのいる神殿へ修行に行くの。要はお前、一人ぼっちだ」

燕「ひとり・・・ぼっち・・・。・・・う゛・・・う゛ぁ゛ぁ゛~~~~~~ん゛!!!いやだ~~~!ぼくもあねうえといっしょにいきたい~~~~!!」

椿「つばめ、ないちゃだめ。めっめ」

隼「・・・それじゃあ桜、椿を頼む」

桜「分かりました。椿、母上と一緒に巫女様のお姉ちゃんがいる所に行きましょう」

椿「はぁい」

燕「あねうえ~~~、あねうえ~~~~!!うわぁぁぁぁぁぁん!!!」

隼「・・・先が思いやられるなぁ・・・」

やっとの思いで燕を和尚のいる山寺まで連れて来た隼は、燕を和尚に預けた。
椿と別れるまでも泣いていたのに、今度は隼とも別れる間も際また泣き出した。

隼「それでは和尚殿、燕をお願いします」

和尚「はい」

燕「ちちうえーーーーーーっ、かえっちゃいやだーーーーーー!!ちちうえーーーーーー!!」

いつまでも泣く燕を無視して、隼は神社に帰って行った。
隼がいなくなったすぐ、和尚は燕をお堂に正座させ、修行させる前に色々と話を始めた。

和尚「燕、ちょっとお堂までおいで。怒ったりはしないから、修行をする前にお話を色々しよう」

燕「ほんとうに?おこったりしない?」

和尚「しないよ」

大きな座布団の上に、小さな燕はちょこんと正座をした。
一応、礼儀正しい態度で接する。

和尚「燕や、どうしてお父さんに此処まで連れて来られたか分かるか?」

燕「しゅぎょーするため」

和尚「その修行の目的が分かるか?」

燕「わかりません」

和尚「大事な人を守る為、己を強く鍛える為だ。燕の大事なものは、何かな?」

燕「えーっとぉ・・・ちちうえでしょ?ははうえでしょ?それから、あねうえ」

和尚「万が一大事な人達が怪我をしてしまったら、その時燕はどうする?」

燕「まもってあげる」

和尚「だろ?お前はその為にこの寺へ修行しに来たんだよ。だから、家族を守る為に、君は強くならなければいけない」

燕「(つよく・・・かぞくをまもるために・・・。)わかりました。ぼく、これからしゅぎょうがんばる!」

和尚「よく言った!!」

その日から、血の滲むような修行が始まった。
毎日泣きそうになりながら稽古や体術に耐え、滝打ちや妖怪退治の鍛錬に励んだ。

燕「(----------・・・いつか、あねうえをまもれるおとこに・・・なってみせる!!)」


----------------------弐、燕・漢修行

修行を繰り返した10年後、燕は10歳になった。
まだ幼かったが、一通り霊力や体術を覚えて強くなっている。
あまりの成長ぶりに、和尚は驚いた。

和尚「燕や、そろそろ休まないか」

燕「はい、和尚様」

一息いれると、和尚は燕にこんな話を持ち掛けた。

和尚「この10年、随分強くなったな。お前の父親も、さぞかし喜ぶだろう」

燕「そうですね」

和尚「で、わしから提案じゃが・・・烏天狗から妖刀を貰いに行ってみてはどうだ」

燕「妖刀・・・?」

和尚「そう。この山寺を越えた鞍馬山に、かの有名な武将・源義経が烏天狗と戦って妖刀を授かったという伝承が残っている。丁度義経は、お前と同い年で烏天狗と戦ったらしい・・・。行く行かないは、お前さんの自由だ」

燕「・・・。行きます、それで強くなれるのなら・・・」

燕は和尚に案内され、烏天狗が棲むと言われる鞍馬山にやって来た。
体長2mはあろう巨大な天狗の顔をした妖怪が、燕の前に立ちはだかる。

烏天狗『・・・何奴・・・?』

燕「神主の少年、上篠燕と申す。貴方を倒し、妖刀を頂きに参った。お手合わせ願います」

烏天狗『このわしに戦いを挑みに来るとは・・・。今まで100人以上の僧や兵士が来たが、皆命を落とした。だが、義経は別だ。あやつはわしを簡単に倒し、妖刀を持って行った。お前のような小僧に、わしを倒せると思っているのか』

燕「ええ、思ってますとも。刀をくれるまで、貴方と殺り合います」

烏天狗『面白い!!やれるものならやってみせよ!!!』

先制攻撃を仕掛けたのは、烏天狗だ。
空中を飛び交い、羽根の刃で燕を容赦なく狙う。
燕は素早い条件反射で攻撃をかわし、烏天狗の放った羽を撃ち返した。
多少重傷を負ったが、全て掠り傷程度にしかならなかった。

烏天狗『打ち返しの技は大したものだ・・・。だが、そんな攻撃ではわしは倒せぬ』

燕「じゃあ、これならどうですか!」

烏天狗『!!?』

燕は無数の式神を放ち、烏天狗を油断させる攻撃に出た。
烏天狗は分身の燕に動揺し、冷静ではいられなくなった。
その一瞬の隙をついて、烏天狗の止めを刺す。

燕「隙あり!!!」

烏天狗『ぐわぁぁぁぁぁぁぁッ・・・!!!』

燕「勝負ありましたね」

烏天狗『・・・。ふ、ふ・・・ふははははは!大した小僧よ、その行動力はまるで嘗ての牛若丸のようだ。約束通り、妖刀”鴉丸”を授ける』

烏天狗はその場に倒れ込み、斬られた場所を手で押さえる。
そして燕の行動力と判断に魅入り、妖刀を授けた。

烏天狗『この妖刀は、どんな硬い岩だろうと鋼だろうと簡単に斬れる。そして、使い手によっては素早く使いこなせる業物の太刀だ。どう使うかは、お前さんの自由・・・持っていくがいい』

燕「ありがとうございます」

和尚は、燕の帰りを心配して待っていた。
燕が無事に帰ってくる姿を見て、胸を撫で下ろす。

和尚「(燕の奴、大丈夫だろうか・・・?いやいやいや、何を悪い方向に考えておるんだわしはーーーーーー!!!)」

燕「和尚様ーーーーー、刀貰ったよーーーーー!!」

和尚「おお・・・無事だったか!」

燕「うん、何ともありませんでした」

和尚「そうかそうか・・・」

安心しているのも束の間。
燕に、とんでもない知らせが入って来た。

---------------------参、父死す・・・長男の決断

燕宛に、母親・桜から伝達が届いた。
それは・・・父親の死の知らせだった。
和尚は文を読んだ瞬間青ざめ、燕は立ち尽くす。

和尚「・・・。燕、すぐさま家に帰りなさい」

燕「えっ?どうしてですか」

和尚「それは、文を読めばわかる」

燕「”拝啓、修行中の燕。貴方の最愛の父親が妖怪に襲われ、命を落としました。神社で供養をするので、すぐに戻りなさい。母・桜より”・・・父上が・・・妖怪に・・・?」

和尚「お前はこの10年間修行を良く頑張ったし、烏天狗とも戦って強くなった。わしも、もう何も教える事はない・・・今は骸を弔い、お前の帰りを待っている姉に逢いに行きなさい」

燕「和尚様・・・。10年間、お世話になりました」

燕は、母の待つ神社へ向かった。
神社には多くの人々が集まり、隼の死を嘆き悲しんでいる。
しかしその場には、椿の姿はない。

燕「母上っ!!」

桜「燕・・・こんなに立派な姿になって・・・。ああ、あの人が生きていればどんなに嬉しがった事か・・・」

燕「そんな事より、父上の亡骸は・・・」

桜「亡骸は骨があるだけなの。骨は、里の方々が発見して回収してくれたわ・・・」

燕「そう・・・ですか・・・。姉上は?」

桜「まだ修行中の身だから、あと5ヶ月しないと逢えないみたいよ。父親の死は、貴方から伝えてあげて」

燕「分かりました。・・・あの、父上の骸は僕が供養していいですか?」

桜「・・・貴方にしてもらえるのなら、きっと喜ぶわ」

燕は生前父の使っていた装束を羽織り、小さいながらも最愛の父親のお焚き上げ供養を執り行った。
呪文もお経もしっかり唱え、父の魂は天に昇華していった。
供養が終ったその日の夜、燕は一晩だけ神社に泊まった。
明日はいよいよ安倍家まで行って晴明の下で5年間再び修行し、四兄姉にならなければならない。
その前日、燕は母親と沢山会話をした。

燕「母上」

桜「何?」

燕「僕ね、あれから10年間修行頑張ったんだ。3歳の時はすごく泣き虫だったけど、今はもう違う。今度の僕は姉上も母上も守れる男になるって、和尚様と約束したんです」

桜「・・・燕、本当に変わったのね・・・。母さん、嬉しい」

燕「だから・・・僕と姉上が晴明様の所に行っても、ずっと応援していて欲しい」

桜「するに決まってるじゃない!ふふっ」

燕「ごちそうさま、母上のご飯美味しかったよ」

燕は、父・隼の部屋を訪れた。
部屋に入るやいなや、父が御祓いで使っていた装束を引っ張り出して風呂敷に詰める。
その時、燕の後ろから冷たい風が吹き込む。
振り返ると背後には、亡くなった隼が立っていた。

燕「(えーっと、父上が使っていた装束は・・・あっ!これか)・・・!寒っ!!」

隼『・・・燕・・・』

燕「何処かで聞いた声・・・。・・・!」

隼『少し見ぬ間に、随分大きくなったな。小さかったお前は、よく甘えて泣いていたのに・・・』

燕「父上っ!!僕、あれからずっと、修行頑張ったんだよ!!見てこれ、鞍馬山の烏天狗と戦って勝って・・・貰ったんですよ妖刀を!!それから・・・それから・・・」

隼『そうか・・・。お前の成長振りを見て、安心した。私がいない間、よく頑張った』

燕「・・・父上ぇぇ・・・ひっく・・・」

隼『あっ、もう行かなきゃ・・・。じゃあな、燕』

燕「待って父上!!まだ話したい事が山ほどあって-------」

隼『・・・椿と母さん、それに・・・都の人々を頼んだぞ・・・』

燕「父・・・上・・・」

隼は燕の前から姿を消した。
次の日、全ての荷物を背負い、母に最後の別れを告げた。

燕「・・・じゃあ母上、行って参ります」

桜「椿に逢ったら、よろしくね」

燕「次に逢う時は、安倍四兄姉になって帰ってくるから・・・」

亡くなった父親を越える神主になるべく、燕は安倍晴明の住む都へと向かった。
そして、椿との再会も果す為に・・・。


                        【燕編】終
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プロフィール

朧幻龍

Author:朧幻龍
京都に強い憧れを持つ大阪在住の変態女人絵師
蒼龍ファミリーと安倍四兄姉の生みの親

リアルとブログでは性格が真逆
映画GS美神の蘭丸に対して異常な性欲を抱く

好きなもの:にゃてんし、my創作キャラ、七人隊、蘭丸
信じるもの:自分の才能と絵の腕前、安倍晴明と織田信長の威光

秋山澪

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