朧気。 【戦国恋嫁~恋は戦にあらず~】(※版権×創作要素有)

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【戦国恋嫁~恋は戦にあらず~】(※版権×創作要素有) 

(※版権×創作小説です、苦手な方はお引取り下さいませ)
------------壱、幸福の日々

戦が勃発する、戦国乱世...
その遥か遠くの西国に位置する巨大な城、その城の名は早村城。
城には数少ない兵士・女中が働いていて、辞める者もおれば長年姫の傍に仕えたいと言う者達もいる。
城を唯一仕切るのは、城主の娘の帝(拾六歳)。
幼少の頃より皆に好かれており、帝を嫌う者は誰一人いなかった。
帝の父亡き後、彼女は小さな西国を守り続けた。
そして今、一人の部下と長い時間を過ごしている。

帝「風魔・・・風魔」

風魔「・・・はっ、風魔は此処におります」

この忍の青年の名は、風魔小太郎。
言わずと知れた北条家に仕える忍だが、用事がない時は早村家の護衛も兼ねている。

帝「先日の東国の兵士討伐の一件、ご苦労でした。褒美を遣わします」

風魔「・・・有難き幸せ」

帝「こた、他に欲しい物はない?」

風魔「いいえ、ありませぬ。これで十分里の者たちを養えます。では・・・失礼致す」

風魔は素早く姿を消して、次の用事を済ませるべく目的地に向かった。
村の人々は、風魔が来るのを心から待っていた。

風魔「遅くなってすまぬ・・・姫様から褒美を貰った、是非活用して下され」

村人「おおーー、いつもすまねェな。あ、これウチの畑で採れた芋だ。城の兵士達にも食わせてやってくだせェ」

風魔「・・・はい、是非。城の皆も姫様も、お喜びになります」

女人「大根が豊作だったから、お裾分けするわ」

風魔「かたじけない・・・」

風魔のやることとは、貰った金銭の全てを村の人に分け与えていたのだ。
帝も、この事を知っていた。
たまに自ら村に出向いて、着物が泥だらけになるまで田植えを手伝ったりもする。
暫くして、風魔が沢山の農作物を抱えて城に戻って来た。

風魔「・・・姫様、村人達から沢山の作物を頂きました」

帝「美味しそうな芋と大根ねー、今日は村の衆を集めて城で味噌汁飲み会でもしようかな~?」

風魔「またそんなご冗談を・・・」

その日の夜、早村家の城の庭で盛大な味噌汁を振舞う会が行われた。
城の者と村の人達がもっと交流を深められたらという意味で、帝が主催したらしい。
無論、その会は大成功。
帝も村の人達も、益々信頼する絆が深まった。

・・・しかし、その幸せはそう長くは続かなかった・・・

--------------弐、傭兵と姫の駆落ち

村の人々と親交を深めた一週間後、事態は急変した。
村人達の活気付いた声が、止んだ。
戦だ。
使える男達は皆戦に出てしまい、村に残されたのは女と子供と家畜だけとなった。

風魔「・・・恐れた事態が起きましたね」

帝「戦・・・かぁ。父上も、戦に出て亡くなったのよね・・・。そもそも戦って、何の為にあるの?」

風魔「戦とは、己の出世の為に陣取る男の喧嘩にしか過ぎませぬ」

帝「そう。・・・村の子供と遊んでくるわ、城の警護を頼んだわよ風魔」

風魔「はっ、行ってらっしゃいませ。(何も起きないといいが・・・。・・・!?)姫様、危ないッッ!!」

帝「えっ・・・?きゃあああ!」

帝は、村に残った女人や子供に逢いに行こうと城を出た時だ。
物凄い爆風が、早村城を襲った。
やったのは東国で残虐な人殺しを働いた傭兵の集団、七人隊だった。
異変に気付いた風魔は帝と数人の子供を抱えて、城の裏手の森に避難させた。

風魔「おのれ、戦の集団め・・・!もう西国まで攻め入って来たか・・・。此処はこの風魔が食い止めます、姫様は女人と子供達を連れて遠くへお逃げください」

帝「で、でも・・・それじゃあ風魔が」

風魔「私はどうなっても構いません・・・。さぁ、早く」

帝「風魔・・・」

女人「帝様、早く逃げましょう!」

帝「うん」

無我夢中で森を走り抜けた時、帝は城で飼っていた愛猫を思い出した。
そして一人、再び天守閣に戻って来てしまった。
城の廊下には、兵士の死体が転がっている。
・・・皆、七人隊に殺されたのだろうか?
そんな心配をよそに、帝は愛猫の名を小声で呼んだ。

帝「クロー・・・ク~ロ~。出ておいで~・・・」

黒猫「・・・にゃ~ん」

帝「クロ!早くこっちにおいで」

黒猫は一目散に帝の元に駆け寄った。
いざ城から出ようとした時、誰かが廊下から歩いてくるのが確認できた。
ミシっ・・・ミシっと、足音が聞えてくる。
咄嗟に帝は黒猫を抱きかかえたまま、隣の部屋の押入れに隠れて身を潜めた。
やがて話し声が聞えてきた。

?「おい蛇骨、この城の女共を全部斬っちまったのか?」

?「当ったりめーじゃん」

?「そういや姫がいるって聞いたけどよぉ、何処に行ったんだろうな」

?「知るかよ、女の行方なんざ・・・。どーせその辺でくたばってるんじゃねーの?」

?「・・・っつーか、まだ城にいたりして。よし、この城の姫を捜すぞ」

?「ちぇーーっ・・・めんどくさいなぁ。そんなに姫の顔が見たけりゃ、兄貴一人で捜せよ。俺は他の連中を殺して来らぁ」

絶体絶命と思われた時、もう一人の片割れの男がその場を離れて行った。
どうやら女に興味ないのか、引き下がった。

?「・・・俺知ってんだぜ、さっきから其処にずっと隠れてんだろ?姫さんよぉ」

帝「(・・・!!!)」

?「俺だけに顔見せてくれたっていいだろ?なぁーに、スグに殺しはしねェ。美人だったら見逃してやる」

帝は、一瞬考えた。
この男の言葉を信用していいのかと・・・。
少し躊躇った後、男の前に顔を見せて堂々と名乗りを上げた。

帝「・・・は・・・早村家が女城主、早村帝と申します。年は拾六、まだ想い人の殿方はおりません身。先程は身を潜め、顔を出さなかった事のご無礼・・・申し訳ありませぬ」

?「へぇ~・・・。お前がこの城の生き残りの姫か、結構俺の好みかも」

男は帝に見惚れ、自分の女にしようと企んだ。
早々に帝を連れて仲間の元を離れ、それっきり姿を見せなくなった。

--------------参、届かぬ想い

気が付けば帝は、東国の寒村にいた。
辺り一面、真っ白な銀世界。
男は古い小屋に帝を連れて行って、身体を温めさせた。
少々荒いやり方だが、根は優しいようだ。

?「寒かったら言えよ、もっと火ぃ炊いてやっから」

帝「・・・あ、ありがとう」

今思えば、帝はこの傭兵の男の事を知らないままだ。
無理矢理寒村に連れて来られ、隔離されている。

帝「・・・貴方、名前は?」

やがて男は、口を開いて帝の質問に答えた。

蛮骨「俺の名は蛮骨、七人隊の首領だ」

帝「しち・・・にん・・・たい。東国で七人で100人分の働きをする傭兵の人殺しの外道集団・・・その貴方がどうしてあたしをさらったの?お金目的?」

蛮骨「違う・・・。俺はただ、俺自信を受け入れてくれる女が欲しくてお前をさらった」

帝「・・・なーんだ、そんな理由だったの」

蛮骨の理由に帝は、心底呆れた。
ただ極端に人殺しの性格が理由で、彼女ができない・・・ってだけだ。
帝は蛮骨の条件を、まんまと受け入れた。

帝「だったら、あたしが貴方の嫁になってあげる。でもその代わり、あくまでフリだからね?」

蛮骨「・・・わーった」

帝「それと、お互い惚れ合うのはナシよ」

蛮骨「おう」

帝「まずは食料調達よね!あたしは村の人からお米とか貰ってくるから」

帝は懐から風魔に渡すはずだった金銭を持って、村の人々から野菜や米などを貰って来た。
愛猫は暖炉の傍で包まり、すやすやと寝ている。
何もすることがない蛮骨は、山で猪を捕獲しに行く。

帝「これだけあれば大丈夫かな?さぁ~て、美味しい料理作るわよー!」

数分後、巨大猪を担いで帰って来た蛮骨は帝の喜ぶ顔を思い浮かべながら山道を下る。

蛮骨「(へっへっへ、大量大量!蛮竜で掻っ捌いて猪鍋にしてもらおう!!あいつ、驚くかな?それとも・・・)た~だいまぁ!」

家に帰って吃驚、中で囲炉裏を囲って仲間達が帝の手料理を堪能していたではないか。

蛇骨「お前、女のくせに料理上手だよなーー・・・おかわり!」

帝「はいはい、今日は大判振る舞いだからどんどん食べてね」

蛮骨「お、お、お・・・お前ら何でいるんだーーーーー!!!?」

睡骨(善)「いやね、蛇骨さんが寒村地帯から美味しそうな匂いがするといって来てみたら・・・帝さんが料理を振舞ってくれるというものでして。ついでに上がっちゃいました」

煉骨「早くしないと薩摩芋の炊き込みご飯なくなっちまうぞー・・・?」

呆然と立ち尽くしている矢先、帝は駆け寄って心配した。
そして大きい猪をみて、満面の笑みを浮かべる。

帝「あ!それ、猪?蛮骨が捕ったの?」

蛮骨「ま、まぁな・・・」

帝「ありがとう、蛮骨を信用して良かったわ」

蛮骨「・・・////」

蛇骨「ぷは~、食った食った・・・。んじゃ女、明日も朝食喰いに来るぜ~」

帝「え、ええ(明日までお米あるかしら・・・)」

結局その日は蛮骨だけ、何も食べられないまま終わった。

蛮骨「あいつら~、俺の分まで食いやがって~・・・!!俺だって飯食いたかったのに・・・」

帝「落ち込まないで。そう言うと思って、ちゃんと残してあるから」

残ってる分を差し出し、蛮骨は鍋を持って勢いよくご飯をかき込んだ。

蛮骨「んぐんぐんぐ・・・。う、うめぇーーー!!」

帝「・・・ふふふっ」

蛮骨「?何が可笑しいんだ」

帝「・・・料理作った甲斐があったな~と思って。明日はぼたん鍋にするから、楽しみに待ってて。じゃあ、おやすみ」

帝が寝静まった夜、蛮骨が外に出ると星が空一面に光っている。
蛮骨は傍にいた猫を抱えて、胸の内を話した。

蛮骨「なぁ、聞いてくれよネコ。俺、本気でアイツに惚れちまったみたいなんだ・・・。」

黒猫「・・・にゃー」

蛮骨「惚れ合うなって言われてもよぉ、好きになっちまったもんは仕方ねーよなァ」

黒猫は蛮骨を見つめた後、小屋の中へ引き返す。
つられて蛮骨も、小屋の中へ戻る。
翌朝、目が覚めると外の竈からいい匂いがするではないか。
帝は早起きでいつもより多めの朝食を鍋いっぱいに作っている。
その仕草は、妻そのもののようだ。

帝「ああ、ごめん。起こしちゃった?」

蛮骨「・・・いいや、起きようと思ってたところだ。腹減ってたし」

匂いにつられて、蛇骨や睡骨・煉骨まで住居に集まってきた。
いつの間にやら、蛮骨の住居で食事をするのが習慣になってしまったらしい。

蛇骨「うおーーーい女ーーー、朝飯出来てっかーーー?」

睡骨(悪)「これ、昨日の礼だって善人のヤローが・・・。受け取れ」

帝「ぶ、鰤がいっぱい!いいの?こんなに貰って・・・」

睡骨(悪)「今俺らの住んでる東国の漁じゃ、寒鰤が旬なんだと。煮るなり焼くなり好きに使ってくれ」

帝「ありがとう。生きがいいから、一匹は刺身にしちゃいましょうか。・・・あ、でもどうしよう。あたし魚捌いたことないわ・・・

蛇骨「んじゃ、代わりに俺が捌いてやるよ。はアアアアアアーーーーー!!!」

蛇骨は愛刀の蛇骨刀を片手に、鰤一匹丸裸にさせた。
裸になった身は空中に浮いている。
素早く蛇骨は皿を構え、刺身を受け止めた。
帝は一人で拍手をしている。

蛇骨「・・・ふっ、どんなもんよ」

帝「すごーい!!」

蛇骨「さ、鮮度が落ちないうちに皆で食べようぜ」

全員「いただきまーーす」

全員で手を合わせ、”いただきます”を言った後一斉に刺身に手を伸ばす。

帝「美味しい!寒鰤ってこんなに美味しいものなのね~、初めて知ったわ」

蛮骨「帝は今までどんなもん食ってたんだ?」

帝「普通に野菜よ」

蛇骨「へぇ~・・・姫様だから良いもん食ってるのかと思ったぜ」

帝「それは小さいときの話よ」

楽しそうに会話をしていると、一人の兵が蛮骨の家に訪れた。
そして蛮骨達を見るや否、怒鳴り出した。

近衛中将兵士「いたぞーーーー、七人隊とその一味だ!!!姫を保護し、首領とその一味を捕らえろ!!」

帝「貴方は源家の兵士!!・・・はっ!み、みんなっっ・・・!」

睡骨(悪)「ヤローーー、離しやがれ!!!」

蛇骨「んもう、乱暴に扱わないでくれよな!?」

煉骨「チクショウ・・・・!!」

蛮骨「大将は誰でい!!?城の大将を出しやがれッッッ!!!!」

蛮骨が怒鳴りあげた時、源家の主君・博雅が顔を見せた。

博雅「・・・私が城の主君・源博雅だ」

蛮骨「てめぇが城の親玉か・・・!!何の為に俺ら七人隊を捕まえやがったんだ!?理由くらい聞かせろ!!!」

博雅「貴様らは数ヶ月前、早村の城を滅ぼし、その女城主・早村帝を略奪したであろう・・・?嘗て早村に仕えていた風魔と名乗る忍から、文が届いた。それがその証拠だ」

帝「・・・・!!間違いない、風魔の字だわ・・・」

博雅「文の最後に彼の字で、”姫、傭兵に略奪されたし”と書かれている。お前達連中は、過去にも人を殺めたそうじゃないか。私が知らぬと思ったら大きな間違いぞ!?・・・貴様ら全員、此処で処刑してくれる」

帝「そ、そんな・・・!やめて・・・お願いだから彼らを殺さないでッッッ・・・!!」

帝の言う事も聞かず、兵士は七人隊の首を次々と刀で刎ね始める。
真っ白な雪に、赤い雫が滴り、仲間の首は雪の上に転がる。
遂に総大将・蛮骨が刎ねられる番が廻ってきた。

博雅「・・・姫、最後にこの者に伝えたい事はないか?」

帝は涙を流しながら、蛮骨の元に駆け寄った。
裸足で走った所為か、霜焼けになっている。
霜焼けになった手のままで、帝は縛られたままの蛮骨を抱きしめた。

帝「・・・ごめんね蛮骨・・・。あたし、みんなに何もしてあげられなかった・・・」

蛮骨「・・・いいや、お前は俺らに毎日美味い飯をご馳走してくれた。俺はそれで十分だ・・・。」

帝「・・・一つ、あたしと約束して欲しい」

蛮骨「何だ」

帝「貴方がもし何かのはずみで生き返ってきた時、その時はあたしを貴方の嫁に迎え入れてくれる?」

蛮骨「・・・いいぜ、その時は死後婚だ」

指きりの代わりに接吻を交わし、蛮骨は帝の前で首を刎ねられた・・・。
その後、帝は村の人たちとその地に七人塚を建てて祀ったという。

              【終】
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プロフィール

朧幻龍

Author:朧幻龍
京都に強い憧れを持つ大阪在住の変態女人絵師
蒼龍ファミリーと安倍四兄姉の生みの親

リアルとブログでは性格が真逆
映画GS美神の蘭丸に対して異常な性欲を抱く

好きなもの:にゃてんし、my創作キャラ、七人隊、蘭丸
信じるもの:自分の才能と絵の腕前、安倍晴明と織田信長の威光

秋山澪

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