朧気。 【蒼龍の初恋】

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【蒼龍の初恋】 

------1、恋の相手は美人薄命の参拝客

蒼龍が姫乃と一緒に部屋の引き出しを整理していた時、懐かしいモノが出て来た。
それは、蒼龍の高校時代の古いアルバムだった。
写真を何枚か見ていると、姫乃も背後から覗き込んで一緒に見る。

蒼龍「懐かしいな、今度は高校の時の写真か・・・あっ!!」

姫乃「えへへっ、もーらいっ!・・・へー、管理犬さんは今も昔も変わってないね」

蒼龍「大きなお世話だ!!////

姫乃「?・・・ねェ、この女の人は誰?姫乃にそっくりだけど」

蒼龍「この子は・・・俺の初恋相手だ・・・」

姫乃「じゃあこの人、管理犬さんと同い年なんだ。今どうしてるの?」

姫乃が写真に写っている女性の話をした瞬間、蒼龍の顔が曇った。
思い出したくない記憶が甦ったのか、蒼龍は話すのを拒んだ。

蒼龍「・・・ごめん、この話はまた今度だ・・・。」

魔愚那とすれ違い様、蒼龍の顔が一瞬泣いたように見えた。
翔が蒼龍の部屋を訪れると、写真を見てこんな事を言った。

翔「あ、この子知ってる!姉貴のファンだった女の子だ」

姫乃「知ってるの翔!?だったらこの女の人の事、もっと教えて!!」

翔「確か、重い病で亡くなったって姉貴から聞いたけど・・・龍と同級生だったんだなー」

魔愚那が急に、こんなコトを言い出した。

魔愚那「・・・さっき見たんですが、管理犬さん私とすれ違いざまに泣いてましたよ。もしかしたら、過去になにかあったんじゃないですか?」

姫乃「せめて、管理犬さんの過去に行けたら・・・」

その答えに問いかけるように、姫乃が持っている時空魔鏡が姫乃・魔愚那・翔を蒼龍の過去の時代に導いた。

------2、悲しやな、龍の恋路

蒼龍の過去の時代に飛ばされた3人は、境内をウロウロしていた。

姫乃『ここって、まさか・・・』

魔愚那『改装される前の犬神神社みたいですね。幸い、私達の姿は誰も視えてないようです』

翔『・・・あれ、高校の時の龍じゃねーか!?』

姫乃『本当だー、神主さんも一緒やね』

この時代の蒼龍は、恋もしたい盛りの粋な少年だった。
早くに両親を亡くした分代わりに育ての親となった神主さんの手伝いをしながらも、妖怪退治やらのやり方を神主に色々教えて貰っていた。
そんな中、一人の少女が参拝に来た。

魔愚那『あの子は、写真に載ってた方じゃありません?』

翔『うん、間違いない』

彼女の名は夢野魅柚(ユメノミユ)、蒼龍の通う高校の同じ病人のクラスメイトだ。
顔は、姫乃と瓜二つの美少女。

魔愚那『姫乃さんと瓜二つですね』

翔『んだな・・・』

蒼龍「夢野!もう、身体の病気はいいのか・・・?」

魅柚「犬神君・・・。今日は外出していいってお医者さんが言ってくれたんよ。ごめんね、心配かけちゃって。それより・・・此処の神社素敵ね、古びた建築がとてもいい」

蒼龍「そうか?クラスの奴らは神主様の神社をお化け屋敷だとか言ってさー」

蒼龍は、病気がちな彼女に少し気があった。
殆どクラス代表でお見舞いに行っているのは蒼龍で、クラスでも半ば付き合っていると噂されている。
魅柚と気が合うのには、もう一つ理由があった。
それは・・・彼女も霊感持ちであること。
家柄も実は蒼龍と同じ神社の娘さんで、将来は期待が高い巫女とされていた。
数週間後、彼女は手術の為にまた病院へ入院する事になった。
学校が終わったと同時に、蒼龍は一人病室へ向かう。
病室にはクラスメイトの女子が来ていたが、行くのが恥ずかしいのか中々病室に入ろうとしない。
女子がいなくなったのを見計らい、ようやく病室に入っていった。
魔愚那達も、一緒にこっそり中に入る。

魅柚「犬神君、また来てくれたんだ!ねェねェ、式神って操れる?」

蒼龍「式神?!俺この前やっと出来たばっかりでさ、上手く呼び出せないかもよ?」

と言いつつ、目の前で小さい竜の式神を呼び出して召喚させた。
彼女は拍手を送り、機嫌良さそうに笑う。

蒼龍「本当はもっと大きいヤツを呼び出したいんだけど、神主さんが”お前は霊力低いから、まだ無理だ”って言うんだぜ」

魅柚「あははは、そうなんだ。・・・ねェ、賭けやらない?もし先にあたしが病気治したら、将来犬神神社の巫女になる。犬神君は陰陽師になってあたしを迎えに来る・・・これでどう?」

蒼龍「いいぜ!?絶対俺が先に陰陽師になってやらぁ!!お前にはぜってー負けないからな!?」

魅柚「その息だよ、犬神君」

2人の会話を聞いていた3人は、うんうんと納得。

翔『あの2人、結構イイカンジじゃね?』

魔愚那『本当ですねー』

姫乃『あのまま、元気になってくれたらいいのに・・・。あっ!急に夜になったよ』

その晩の事、彼女の容態が悪化した。
苦しそうにナースコールボタンを押す魅柚、ナースステーションから数人の看護婦がやって来て病室は慌しくなる。
姫乃は翔の袖にしがみ付く。
その後、魅柚の両親と蒼龍が病院に到着し、手術室の前で待った。
間もなくして、医師が手術室から出てくる。

両親「あの・・・娘は、娘はどうなったんですか・・・!!?」

医師「・・・我々も手を尽くしましたが、残念ながら娘さんは・・・」

蒼龍「そ・・・ん・・・な・・・」

彼女の死を知った姫乃は、涙が止まらなかった。
悲しみに暮れた蒼龍は、彼女の死体をずっと霊安室で一人眺める。

蒼龍「さよならは言わないからな、夢野。あっち(天国)でも巫女修行しろよ・・・」

蒼龍が去った後、姫乃達も彼女の横たわった遺体を眺めてお線香を焚いた。

姫乃『管理犬さん・・・可哀想・・・。でも、亡くなった夢野さんの方がもっと可哀想や。夢を叶える前に病気で亡くなっちゃうなんて・・・』

翔『・・・姉貴から聞いた話なんだけど、あの子が外出になった時だけ特別に未発表の曲を歌ってたな』

魔愚那『優しいお姉さんですね・・・』

姫乃『・・・お花、手向けてあげよう。って言っても、造花のお花だけど・・・』

翔『じゃあ俺は、姉貴が愛用してた万年筆を・・・』

魔愚那『私はそうだなぁ・・・黄泉クッキーでも』

姫乃『黄泉クッキー?』

翔『おいおい、死んだ人は食べ物なんか食えないぜ?』

魔愚那『これは死者でも食べられるクッキーで、生前想いが強い人の所に一度だけ現れる効果があるんです』

姫乃達が彼女の供養をしたと同時に、元の時代に戻って来た。
気が付けば、3人は彼女のお墓の前に立っていた。

蒼龍「お前ら、こんな所で何してるんだよ?」

姫乃「えーっと、この人のお墓参りを・・・」

蒼龍「そうか、ならいいけど」

蒼龍が水を取り替えに行く途中、彼女の母親とバッタリ出くわした。

魅柚の母「あら犬神くん、暫く見ない間に立派になって・・・。神主さんが亡くなってから大変じゃなかった?」

蒼龍「いいえ、神社は毎日楽しいですよ。新しいアルバイトの子も何人か増えましたし・・・。所で、おじさんはどうしたんですか?」

魅柚の母「あっちで和尚さんと話してるわ。で、あっちにいるのが犬神くんのアルバイトの子達?」

蒼龍「ええ、まぁ・・・。じゃあ俺帰りますね。ほら、帰るぞお前ら」

魔愚那「はーい」

翔「アイアイサー」

姫乃「今行くわ・・・」

4人が墓場から立ち去った後、ポツンと女の子の幽霊が自分のお墓の前で立っていた。
紛れもないそれは、蒼龍と同い年になった娘の姿だった。
因みにその姿を視たのは、犬神だ。
彼女は犬神を見て微笑んだ後、姿を消した。

犬神『あの人・・・。まぁ、いっか』

                       
                             END
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プロフィール

朧幻龍

Author:朧幻龍
京都に強い憧れを持つ大阪在住の変態女人絵師
蒼龍ファミリーと安倍四兄姉の生みの親

リアルとブログでは性格が真逆
映画GS美神の蘭丸に対して異常な性欲を抱く

好きなもの:にゃてんし、my創作キャラ、七人隊、蘭丸
信じるもの:自分の才能と絵の腕前、安倍晴明と織田信長の威光

秋山澪

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