朧気。 【続・煉獄の炎、椿の花】

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【続・煉獄の炎、椿の花】 

見ての通り、版オリメインの小説。

その後の燕&椿のお話...
煉椿の子の名前が委員長と同じなのは気にしないで?w(by管理人

---------------壱、絆の糸

白霊山から骨を持ち帰って供養し、行方知らずの姉を捜してはや9ヶ月が経っている。
村の人と捜索を何度も繰り返すが、それでも姉は一向に帰って来ない。
そんなある時、姉を麓の人間から椿の居所を聞きだす。
聞いた人の中で、椿らしき巫女を見たという人がいた。

燕「(姉上、白霊山に行ったきり帰って来ない・・・。何かあったのかな?麓の人に聞いてみよう)あのー、この辺に僕と年の近い巫女を見ませんでしたか?」

村人「ああ、貴方と色違いの髪をした巫女様か。その人ならヘンな傭兵と一緒だったよ」

燕「(ヘンな傭兵・・・?!)どんな人か覚えてますか!?」

村人「確か、頭に頭巾巻いて・・・顔に模様があったような・・・」

燕「何処で見かけたんです?」

村人「えーっと、あの古小屋だよ」

燕「ありがとうございます!」

村人は、一軒の古小屋を指差した。
燕は礼を言って、小屋の方に向かう。
だが小屋に入っても、誰もいない。
・・・入れ違いのようだ。

燕「誰もいない・・・出て行った後か・・・。(でも、何か引っ掛かるなぁ。頭巾を巻いて模様がある傭兵って言ったっけ?あの人、とっくに首を刎ねられてたハズなんだけど・・・。まさか、また生き返って姉上に逢いに行ったんじゃ!?こ、黒翔ーーーーーーー!」

小屋を飛び出し、使い魔の鴉妖怪「黒翔(こくしょう)」を呼んだ。
黒翔は人の姿に変え、燕に跪く。

黒翔『お呼びでございましょうか・・・燕様』

燕「緊急事態です、急いで姉上を捜して下さい!!!」

黒翔『はっ』

黒翔は再び鴉の姿になり、上空から椿を捜す。
空を飛んでいる内、近くに寒村がある。
一軒一軒探っていくと、その中に赤子を抱いた椿がいた。
黒翔は彼らのいる場所を、心通能力(テレパシー)で燕に告げる。

黒翔『(・・・あれか)燕様、椿様の居所を発見致しました。この森を抜けてすぐの、寒村。9軒目の小屋におります』

燕「分かった、この先の寒村で九軒目の小屋ですね・・・」

燕は猛ダッシュで森を走り抜け、白霊山の傍に位置する寒村に辿り着く。
そして息を切らしながら、黒翔の告げた九軒目の小屋に向かって歩み寄る。

燕「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。此処か・・・。こ、こんにちわー」

椿「はーい・・・。・・・!!!燕・・・」

燕「迎えに来ましたよ姉上。早く次の村に行きましょう-----・・・」

燕が椿の手を取った時、椿は手を振り払った。
理由もなく振り払った椿に、燕は理由を問い質す。

椿「・・・私、燕と一緒に行けません・・・」

燕「どッ、どうしてですかッ!!?この寒村にいて、何の理由があるんです!?」

椿の傍に、生後9ヶ月になる女の子の赤子がいた。
すやすやと寝息を立てて、ぐっすり眠っている。
まさかと思い、燕は椿に理由を尋ねた。

燕「あ、赤子・・・!?姉上・・・まさかその赤子・・・」

椿「・・・私と、煉骨さんとの子です」

燕「・・・」

燕は暫く呆然と立ち尽くし、黙り続ける。
白霊山で姉を捜し続けて9ヶ月、その間椿は煉骨との子を儲けていたなんて・・・。
俄かに信じられなかった。
ややあって、燕は赤子を抱きかかえて揺さぶり始める。
燕も半ば、子供が可愛くて仕方ないらしい。

燕「・・・この子、何て名前ですか?」

椿「未海という名前にしました」

燕「へぇ~、可愛い名前じゃありませんか。よ~しよし、燕お兄ちゃんですよぉ~」

赤子「?きゃはははっ!あうーー!!」

眠っていた赤子は目を覚まし、燕を見つめている。
赤子は燕があやすと、きゃっきゃと笑う。
燕は決心し、この寒村で四人暮らしをしようと考えた。

椿「・・・未海は燕の事が好きみたいですね」

燕「姉上、僕も此処で三人と暮らそうと思います。姉上が外出中の間、僕が未海ちゃんの面倒を見てますよ。そうすれば、夫婦水入らずで御祓い業に打ち込めるんじゃないですか?」

椿「そうですね。近頃未海の面倒見るばかりで、御祓いは彼に任せっきりでしたし・・・その方が有難いです」

燕「じゃあ、決まりですね」

煉骨「ただいま~・・・。」

椿「お帰りなさい」

煉骨「そいつは確か、弟の燕だったよな・・・?何で此処に」

椿「私達が御祓いに行っている間、燕が未海の面倒を見てくれるそうなので・・・」

煉骨「へー・・・そいつは有難てぇ」

話の最中、煉骨が帰って来た。
弟の燕に半分警戒していたが、燕にはその気が全く感じられない。
・・・その日から寒村の家で、新しい四人暮らしの生活が始まった。

--------------弐、惨劇が幸せに変わる時

寒村に暮らして早九年・・・
煉骨は三十三、椿・燕は二十四、娘の未海は九歳になっていた。
相変わらず娘の未海は、燕をおじとしてではなくお兄ちゃんと呼び慕っている。

未海「燕お兄ちゃん、早く遊ぼうよっ!ねぇ早くーーー」

燕「はいはい、今そっちに行くよ」

椿は燕と未海が戯れる様子を、微笑ましく眺めている。
煉骨は心配していた。
いつか娘の未海は、燕の嫁になってしまうんじゃないかと。

椿「微笑ましい光景ですね・・・ねぇ、あなた」

煉骨「それはそうだが・・・あの子、いつかお前の弟の嫁になっちまうんじゃないか?!俺、それだけが気がかりで夜も眠れない・・・。」

椿「そんな大げさな・・・」

煉骨「いいや!大げさじゃねぇ!!!!」

椿「!?」

煉骨「毎晩俺は一緒に寝ようと言って誘ってるのに・・・毎日燕がいいって言ってるんだぞ!?それでも大げさって言えるのかぁ!!?」

椿「あーはいはい、私が未海に伝えますから・・・泣かないで、あなた。未海ー、ちょっと来てくれる?」

未海「何ー、母様」

椿は未海を呼んで、親子で小会議を開いた。

椿「未海は、三人の中で誰が一番好きかしら?お母さんに話してみて」

未海「誰って・・・母様と燕お兄ちゃん」

椿「あれっ、お父さんはどうしたの?

未海は煉骨を見つめ、燕の後ろに隠れる。
そして、煉骨に強烈な毒舌を吐いた。

未海「だって、顔にヘンな模様があるし、目付きが狐みたいで怖いし。それに・・・頭ハゲてるし」

傍で未海の毒舌を聞いていた燕は腹を押さえて、ひたすら笑う。
子供の言う事はたまに毒舌が入って面白いらしい。

燕「あははははは、確かにそうですよねー」

煉骨「笑うな燕ッッ!!俺はすんげー見た目を気にしてんだぞ!!?」

燕「ホント、子供は正直者だ」

燕が笑う傍らで、煉骨は椿に慰められている。
一番彼を理解しているのは、椿だけだった。

煉骨「俺、お前と家出しようかな・・・。子供が出来てから賑やかになったのはいいけど、あの子は毎日俺の悪口言うしさ・・・もうこんな生活耐えられねぇよ」

椿「・・・そうですね、一度家を離れてみましょうか。そうすればあの子もあなたを恋しがるかもしれませんし」

椿は、燕を遠くから手招きした。
合図に気付いた燕は、未海と遊ぶ手を止めて椿の元に駆け寄った。

椿「燕ー、ちょっといい?」

燕「はい」

椿「私と煉骨さん、暫く家を離れてあの子の様子を見ようかなと思って・・・家を空けていいですかね?」

燕「それはいいけど、未海ちゃんには何と告げるんです」

椿「”実家に用事が出来て、家を出た”って伝えて下さい」

燕「はぁ・・・」

椿は煉骨と一端寒村を離れ、本当に実家へ向かった。
未海はいきなりいなくなった両親を探し回る。

未海「あれっ?母様とお父さんは??」

燕「んーとね、実家に用事があるって言って出て出かけちゃったよ。一週間経てば帰って来るって」

未海「ふぅ~ん・・・。」

燕「今日は僕がご飯を作ってあげる。何が食べたい?」

未海「えっとね、猪肉がいい!」

燕「じゃあ、猟師の人に貰ってくるからおうちで待っててくれる?」

未海「うん」

その一方、椿は煉骨の分のお茶を沸かしていた。
二人きりの時間が、昔に戻ったように思える。

椿「何だか、昔の気分を味わっているみたい」

煉骨「・・・まぁな。でもお前、随分美人になったよなー・・・九年前は幼かったのに」

椿「そう?」

煉骨「俺からの視点だけどな。お前は褒める事があり過ぎる」

椿「例えば?」

煉骨「料理上手だろ、俺が遅く帰って来ても文句言わないし、家庭的だし、それに・・・美人だし」

煉骨はやたと、妻である椿を褒める。
その習慣は、ほぼ毎日だ。
現在で言えば、新婚ホヤホヤの夫婦。
多分この男の事だ、死んでも彼女と別れないだろう。
かという椿も、旦那の煉骨を褒め出した。

椿「あら、そう言うあなたこそ私から見れば誇れる亭主ですよ。何をするにも頭を使う頭脳派で、優れた技術者だし・・・何よりもその坊主頭と目付きが素敵だと思います」

煉骨「・・・やっぱりお前はいい妻だ」

その頃、村で留守をしていた燕と未海はぼたん鍋を堪能していた。
未海は二度おかわりをする。

燕「あはは、未海ちゃんは良く食べるね」

未海「だって、お兄ちゃんの作った鍋が美味しいもん。おかわり!」

燕「はいはい」

静まり返る寒村に、ある魔の手が忍び寄っていた。
それは・・・野盗だった。
食事をしている最中、外で村人の悲鳴が聞える。
異変を感じた燕は、未海を藁の中に隠れるように指示をする。

未海「何・・・?今の悲鳴は・・・」

燕「野盗が来たんだ!早く、藁の中に隠れて!!」

野盗は、やがて燕のいる小屋に侵入して来た。
男は、刀を燕の方に向ける。

野盗「ほう・・・この小屋にはお前一人だけか」

燕「そうですよ・・・分かったんなら、早く出て行って下さい」

野盗「へいへい・・・。言われなくとも・・・出て行きますよーだッッ!!おらおらおらァッッ!!」

燕「な、何するんだ!!やめろ、やめろーーーーーーー・・・!!!」

立ち去ろうとした際、野盗は藁の中を刀でデタラメに刺し回す。
その瞬間、藁から赤い滴が流れ落ちる。
・・・そう、野盗は入った時から二人いるのではないかと疑っていた。
隠れる場所は藁の中しかない。
知ってて刺し殺したのだ。

燕「み・・・未海ちゃ・・・ん・・・。酷い・・・この子は姉上と煉骨さんのたった一人の愛娘だったのに・・・それを、知ってて殺すなんて・・・」

燕の怒りは頂点に達し、傍にあった包丁で野盗を刺した。
壁一面に、血の雫が舞う。
そして気がつけば、燕の顔には血がこびり付いている。
野盗はやりたい事だけやって、村を出て行った。
翌日、二人は何も知らずに帰って来た。
村に着くなり、荒れ果てた寒村を見て驚く。
あっちこっちに、村人の死体が転がっている。

椿「こ・・・これは一体・・・!!」

煉骨「ひでぇ有様だ・・・」

椿「未海・・・燕ッッッ・・・・!!」

椿は真っ先に自分達の小屋に駆け寄る。
燕が出てきた時、未海も無事かと思い込んだ。

椿「・・・あ、燕。良かった、二人は無事だったんですね?」

燕「いいえ・・・僕が無事でも、未海ちゃんが・・・」

椿「・・・未・・・海・・・。い、いやあああああ~~~~・・・未海~~~~~・・・」

娘の死体を見た瞬間、椿はその場で泣き崩れる。
あれだけ大事に育ててきた愛娘が、無惨に殺されていたのだ。
守りきれなかった事に悔いた燕は、二人に必死で土下座して謝った。

燕「ごめんなさい姉上、煉骨さん・・・!僕があの時藁の中に未海ちゃんを隠したりさえしなければ、彼女は殺されずに済んだのに・・・本当に申し訳ない!!この罪は一生償います」

燕が土下座する中、煉骨は怒ろうとも泣こうともしなかった。
未海の死体を見ても、どうとも思わない。
その呆れた態度に、椿は喝を入れる。

椿「あなた!!どうして悲しまないんです!?未海は死んだんですよ?何で平然としているんですか」

煉骨「・・・さぁ、どうしてだろうな・・・。もしかしたら俺、お前との間に生まれた子が憎くて仕方なかったのかもしれねぇ・・・。」

椿「・・・!?あなた、一体何を言って------・・・」

煉骨「俺、お前と出来た子供が鬱陶しかった。悪口は言うし、お前や燕の言う事しかロクに聞かない。正直死ねばいいと思った」

椿「・・・」

煉骨の言う言葉に、椿は呆れ返った。
あれだけ苦労して産んだ子に、鬱陶しいと言うか・・・。
これでは亡くなった子に申し訳なく、頭に来た椿は思いっ切り煉骨を引っ叩いた。

椿「愛されて生まれてきてくれた我が子に、鬱陶しいはないでしょ!!?もう一度地獄に帰って、反省なさい!!!」

煉骨「・・・・・・」

燕「(今まで怒ったことない姉上が本気で怒ってる・・・。)」

煉骨「・・・分かった、じゃあ反省しに地獄に帰るよ・・・。世話になったな」

椿「・・・!」

煉骨は荷物を纏め、地獄に帰ろうとしている。
どうやら椿の言った事を本気のようだ。
このままでは彼は本当に地獄へ行ってしまう・・・。
椿は、背後から煉骨を引き止めた。

椿「・・・やっぱりダメ、帰らないであなたッ・・・!!今のは貴方の心を改心させる為に言ったの・・・本当に行っちゃ嫌・・・!!」

煉骨「・・・分かった、何処にも行かない・・・。未海に酷い事言ったのも、全部撤回する。それでいいだろ?」

椿「・・・はい」

煉骨は小屋の傍に小さな墓を立てて、愛娘を弔った。
墓の周りには、毎日新しい花が供えられる。
供えているのは、当然煉骨だ。

煉骨「・・・ごめんな、酷い事を言って・・・。もう父さんの事、嫌いになったろ?」

椿には視えていた。
毎日墓に手を合わせる煉骨の傍に、亡くなった娘がいる事を。
未海は、これっぽっちも嫌いにはなっていないようだ。
煉骨が墓に花を供える度、笑っている。

未海『(ありがとう、お父さん・・・。未海も酷い事言ってごめんなさい・・・あんなコト言ったけど、本当は未海もお父さんの事大好きなんだからね・・・。また供えてくれたお花、あっちの世界に持っていくよ)』

椿「(・・・あの子、今になって心を開くなんて・・・。せめて、生きている頃に言って欲しかったな)燕、また子供欲しいって言ったらあの人・・・作らせてくれるかしら」

燕「・・・さぁ?ご自分の口でおっしゃって下さい」

                 
              【終】
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プロフィール

朧幻龍

Author:朧幻龍
京都に強い憧れを持つ大阪在住の変態女人絵師
蒼龍ファミリーと安倍四兄姉の生みの親

リアルとブログでは性格が真逆
映画GS美神の蘭丸に対して異常な性欲を抱く

好きなもの:にゃてんし、my創作キャラ、七人隊、蘭丸
信じるもの:自分の才能と絵の腕前、安倍晴明と織田信長の威光

秋山澪

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