朧気。 【壱ノ巻】犬神様!

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【壱ノ巻】犬神様! 

主人公は、干支の苗字を持つ「辰磨蒼龍」という龍を愛する青年・・・ではなく、自称神様と言い張る犬!?
神の存在を知らしめるべく、犬神は蒼龍を振り回わす日常を人界で送り始める。
-------------壱、化身・犬神

京都は、四条川原町に住む青年がいる。
名は、辰磨蒼龍。年齢20歳とまだ若く、こう見えて神社の神主である。
ただ・・・神社の嫡男のワリに父の崇め奉る神仏を信じていない。
信じていいのは、安倍晴明だけ。

龍之介「おい蒼龍・・・蒼龍!!」

蒼龍「何だよ親父」

龍之介「犬神様の棚にお菓子をやって・・・。ああ、それから、お前も出世するように拝んどけ」

蒼龍「へーへー」

蒼龍は渡されたお菓子を、小さな祠の前に供えるふりをして持っていってしまった。
父親の信じる神仏には興味がなく、毎日お供えする菓で気に入ったのがあれば大抵はかっぱらって行く。

蒼龍「(バカバカしい・・・何が犬神様だよ。俺が信じていいのは安倍晴明様だけだっての・・・)・・・。コイツ、マヌケだし眉毛ねぇな。よし、眉毛ないみたいだから俺が書いてやろう」

蒼龍はふと腹いせに、神棚に奉っている犬神の像に落書きをしてやろうとマジックを一本部屋から持ってきた。
やる事なす事小学生並で、本人も自重していない。
そして・・・眉毛を書き足した。

蒼龍「でーきたっ!ははははは、こっちの方がいいんじゃん」

龍之介「おーい蒼龍、参拝客来たから手伝ってくれ~」

蒼龍「はいはい」

表へ出た瞬間、参拝客の笑い者になった。
皆蒼龍の顔を見るなり、ゲラゲラと笑う。
当然、父親にも笑われた。

龍之介「ぷっ・・・はははははは!!お前、何だその眉毛」

蒼龍「へ?」

龍之介「鏡見て来いよ」

不思議に思った蒼龍は、ガラス越しに自分の顔を確かめた。
眉毛が、更に太く落書きされている。
しかも、どんなに擦っても取れない。

蒼龍「う・・・うわああああああ!!!何じゃこれーーーーー!!まるで柴犬みたいじゃねーか!いつの間に!?しかも取れない!!!」

?『取れなくて当然、それはオイラがお前に受けた仕打ちであり、天罰でもあるからな』

背後から聞きなれない少年のような生意気な声がする。
気になって振り返ると、烏帽子を被って平安装束を纏う犬が宙に浮いている。
蒼龍は呆然とした。

蒼龍「だ、誰だよお前!!?」

犬神『オイラは犬神、お前さんの父親が崇め奉る犬神の化身だ』

蒼龍「・・・」

犬神『ははは、どうだ恐れおののいたか!』

蒼龍「えーっと、保健所保健所・・・」

犬神『待てそこぉ!!オイラは神仏を信じない者の前に現れる特別な神様よ、お前以外の人間には視えていない』

蒼龍「何で俺だけ・・・」

犬神『オイラは罰当たりな人間の下に制裁を下すべく、お前の元に直々に現れた。お前は普段お供えするであろう菓子を供えずかっぱらい、更にはオイラの像に落書きもした』

蒼龍「落書き・・・。ああ、確かにやったよ」

犬神『この罰当たりめ!その眉毛の呪いはオイラの受けた屈辱とそっくりそのまま返してやる!!』

蒼龍「は?!何だよそれ!!元に戻してくれよ!このままじゃ町行く女の子に笑われちまうじゃねーか!!」

犬神『笑われればいいじゃないか。それと・・・オイラは一度像から抜け出したらもう戻れなくなっちまったみたいだから、当分お前の背後霊として取り憑かせてもらうわ』

蒼龍「(いい加減なヤツだな~)」


-------------弐、研修の二人は・・・

犬神が取り憑いて1日目、蒼龍は真っ先に洗面台へ走った。
昨日の事はどうせ夢だろうと思いながら顔を洗うが、やはり眉毛はそのままだった。
傍へ父親がやって来て、一緒に歯を磨き始める。

蒼龍「チクショウ・・・あれは夢じゃなかったのか」

龍之介「何が夢だって?」

蒼龍「いや、あのな・・・昨日ヘンな神様に取り憑かれちゃって・・・」

龍之介「それって犬神様か?羨ましいヤツだな~、お前」

蒼龍「何で羨ましいんだよ!?俺からすれば疫病神だ」

龍之介「神様に憑かれたヤツはな、幸運に恵まれるんだよ」

蒼龍「へ~・・・」

龍之介「って、死んだ俺のお袋が言ってた」

蒼龍「何だ、受け売りかよ。んじゃ信じねーや」

龍之介「まーたそんな事言って~、罰が当たっても知らねーぞ」

蒼龍「(もう当たってるっつーの・・・)」

龍之介「ああ、そうそう。今日、学校行事の一環で生徒が二人人職場体験に来るらしいから。しっかり教えてやれよ?」

蒼龍「わーってるよ」

朝食を食べた後、龍之介はそれだけ言い残して会社へ出向いた。
普段神社は蒼龍に任せっきりで、帰りも夜遅い。
神社は、蒼龍が切り盛りしている。
参拝客は、馴染みのご近所さんから若い人までと年齢層が幅広い。
時々、舞妓さんもお参りに来る。

犬神『ショクバタイケン?何だそれ』

蒼龍「学生さんが大人の人達に、どんな所でどうやって働いてるのか学びに来るのさ」

犬神『お前もそうだったのか?』

蒼龍「まぁな」

犬神『どんな職場を選んでたんだ?』

蒼龍「俺?うーんと・・・舞台裏の大道具だったかな・・・」

そこへ、一人の高校生の少年がやって来た。
どうやら、一人目の学生らしい。

高校生「・・・」

蒼龍「ひょっとして、職場体験の学生か?」

魔愚那「はい、京都附属男子高等部1年A組・月兎海魔愚那です・・・。」

蒼龍「ああ、魔愚那くんか。(確かリストに載ってたような・・・)」

魔愚那「所で・・・頭の上に乗せてるブッサイクな生き物・・・それ、犬ですか?」

蒼龍「へ?」

犬神『(コイツ、オイラの姿が視えてるのか!?)』

魔愚那と名乗る高校生は、まじまじと蒼龍の頭の上に乗っかっている犬神を重視した。
霊感があるのか、魔愚那には犬神の姿が見えているようだった。

蒼龍「俺の頭に乗っている犬の霊が見えるのか?」

魔愚那「ええ・・・。実はよく趣味で交霊術や黒魔術をやってまして、いつの間にか普段人に見えないモノも見えるような体質になっちゃって・・・」

蒼龍「へ、へぇ~・・・(黒魔術なぁ・・・)」

犬神『・・・。驚いた~、ヘンな人間だなお前』

犬神がポツリとつぶやくと、すごい形相で睨み返してきた。
犬神は、身震いをする。

犬神『ひっ・・・!』

蒼龍「魔愚那は神仏を恐れてないんだな」

魔愚那「・・・ええ、全く」

犬神『そういえば、あと一人来ないなぁ』

魔愚那「もう一人は確か、女子中等部の1年生だったと聞いています。ウチの学校は高等部も中等部と合同でやるので・・・」

蒼龍「へ~」

犬神『野郎ばっかりの神社は、オイラ好かん。紅一点みたいな方がいいやい』

蒼龍「お前なー、神様のクセに注文多いんだよ」

犬神『そんなに言うなら蒼龍、お前が女装して巫女さんやれ』

蒼龍は無言で犬神の頭を小突いた。
小さな頭に、すだちほどのたんこぶが出来る。

犬神『痛ってぇな~~~・・・何しやがるゥ!』

蒼龍「俺が女装するくらいなら、自分で探すっつーの」

そう言うと蒼龍は、ずかずか事務所に戻って行った。
丁度その頃、1年生の少女が交差点をウロウロ散策していた。

少女「あれ~?辰磨神社って、何処にあるんやろ~?」

舞妓「嬢ちゃん、どないしはったん?」

少女「あの・・・私、学校の職業研修で神社を探してるんですけど、この近くに辰磨神社って知りませんか?」

舞妓「ああ、辰磨神社やね。神社やったら、ここの信号渡った路地の中どすえ」

少女「ありがとう、舞妓さん」

一人の少女は、遅れて神社まで走って来た。
息を切らしている。

少女「す、すいませーん!遅れちゃいましたー」

魔愚那「あ、やっと来た」

少女が入って来た瞬間、蒼龍と犬神は釘付けになった。
余りの可愛さに、一目惚れしてしまったらしい。

蒼龍「(か・・・かかっ・・・か・・・)」

犬神『(か・・・)』

犬神&蒼龍「可愛い~~~~~~~~

少女「?!」

犬神『名前っっ!名前聞けっ、蒼龍!!!』

蒼龍「コホンっ・・・まずは名前、聞かせてくれないか?」

姫乃「えっと・・・京都附属女子中等部、1年∞組天子姫乃」

蒼龍「姫乃ちゃんか・・・俺はここの辰磨神社の神主の、蒼龍-----」

少女が名乗り終えると、魔愚那は真っ先に蒼龍の足を踏んだ。
いつまで経っても話が進まないらしく、苛立っていたようだ。

魔愚那「神主さん、早く職場体験の方を進めて下さい」

蒼龍「あ、ごめんごめん・・・。」

魔愚那「では気を取り直して・・・一日にどれくらいの方が参拝にいらっしゃいます?」

蒼龍「そうだな~・・・。2、30人くらい」

姫乃「主な参拝客の年齢層は何歳ですか?」

蒼龍「老若男女問わず」

魔愚那「お賽銭は何に使われていくんです?」

蒼龍「神社の一部を工事したり、何処かの孤児院に寄付したりだ」

姫乃「神主の仕事で、一番大変な事はなんですか?」

蒼龍「境内の掃除とそれから・・・廊下の雑巾掛けかな」

魔愚那「妖怪退治とか、未だにやるんですか?」

蒼龍「妖怪じゃないけど、この間父親と一緒に悪霊祓いを手伝ったよ。少々だけど・・・」

姫乃「有名人とか来ましたか?」

蒼龍「有名人じゃないけど、京都でお座敷やってる芸妓さんと舞妓さんが来るなぁ」

魔愚那「普段の仕事している状況を見せて下さい」

蒼龍「いいけど、今はそんなに参拝客が・・・」

大学生(女)「すいませーん、縁結びの御守りくださーい」

蒼龍「はーい!」

色々仕事内容を聞いていると、参拝客が訪れた。
蒼龍くらいの年の大学生カップルだ。
御守りを買いに来たらしい。

蒼龍「千二百円、お納めになります」

大学生(男)「はい。此処の神社、本当にご利益あるっすねー。俺、去年此処で彼女と知り合ったんすよ」

蒼龍「そうですか、それはそれは・・・」

大学生(女)「これ、去年の御守り。もう効き目切れちゃったので、御祓いに出していいですか?」

蒼龍「どうぞどうぞ、無料で引き取ります」

大学生(男)「いつもありがとう、また参拝に来るよ」

蒼龍「いつでもでうぞ」

さっきの彼と違う対応に、魔愚那は少々感心した。
いいや、此処で働いてみたいと思ったのだ。

魔愚那「マヌケな神主なのにすごいなぁ・・・普段ああやってるんだ」

姫乃「ちょっとカッコよく見えたね」

魔愚那「ええ、眉毛おかしいですけど」

姫乃「そうかな?柴犬みたいで可愛いじゃない」

魔愚那「私、職場体験が終ったらここでバイトしてみようかな・・・。もっとあの神主をからかってみたいし」

姫乃「・・・姫乃も、高等部に上がったら此処でバイトしてみたい。今は参拝客だけど、神主さんに毎日ご挨拶に行くくらいはしないと・・・」

魔愚那「不思議な縁ですね、私達・・・」

姫乃「ホンマやなぁ・・・ふふっ」

職場体験1日目終了後、二人は蒼龍に別れを告げて自宅に帰って行った。

魔愚那「神主さん、明日は是非お手伝いさせて下さい」

姫乃「姫乃も!」

蒼龍「ありがとう二人とも・・・気をつけて帰れよ?」

魔愚那「はい」

姫乃「はーい」

犬神『・・・。あれがショクバタイケンか』

蒼龍「そうそう・・・」

背後から、ポンッと肩を叩かれた。
父親の翠龍だった。

翠龍「よう!学生の子達と仲良くやってたか」

蒼龍「ああ」

翠龍「ま、父親の俺からすればお前はまだまだケツの青いガキだが」

蒼龍「・・・ガキで悪かったな」

翠龍「せっかく俺が早く帰って来たんだ、男二人で飲みに行こう。祇園まで」

蒼龍「・・・またお座敷遊び?俺パス」

翠龍「つれないな~~、何で行かないんだ」

蒼龍「明日また、職場体験の子が来るんだよ」

翠龍「そういう事なら仕方ない、今日は大目にみてやる」

翠龍はそういうと、買って来た惣菜を食べながらTVを付ける。
蒼龍はTVを見て、驚いた。
小学校時代の友人が、ロックバンドを脱退すると言っているのだ。

キャスター『続いて、ニュースをお伝えします。本日未明、人気絶頂中のロックバンド”l・r・b”の鶏神翔さんが歌手活動引退を決意しました』

翠龍「鶏神翔って・・・お前の親友じゃなかったか?何か記者会見してっぞ」

蒼龍「えっ!!?」

蒼龍は、TVに食いついた。
確かに友人が、記者会見をしている。

翔『俺、明日から普通の男に戻ります』

取材記者『鶏神さん、引退する理由について詳しく教えて下さい』

翔『十分有名になって稼いだし、歌手活動はもういいかなって。最初は姉貴に憧れて芸能界に入ったけど、周囲から酷い偏見とかあったし・・・この際だから振り出しに戻って地味に働いて暮らそうかなと』

取材記者『お姉さんの奏さんは、何とおっしゃっていました?』

翔『お前の好きなようにやれ、ただ・・・他人の迷惑になるなって』

取材記者『今後の交際のご予定は?』

翔『んもうっ、何でみんなそーゆー質問したがるんだよ!?(笑)』

翠龍「・・・翔くん、芸能界辞めちゃうんだなー。ウチの神社に来たりして?」

蒼龍「は?何言って-----」

翠龍「・・・お!インターホンだ、蒼龍出てこい」

蒼龍「何で俺が・・・」

玄関からインターホンがなる。
戸を開けるとそこには・・・ホームレスのような怪しい男が立っている。

蒼龍「はい、どちら様ですかー?」

?「・・・」

蒼龍「!!?けっ、警察呼びますよ!!」

?「いや、ケーサツは勘弁・・・。俺だよ、オ・レ。鶏神翔だ」

蒼龍「翔!?何でそんなカッコで俺んちの神社にいんの?!」

翔「へへっ」


                          【弐ノ巻】に続く
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プロフィール

朧幻龍

Author:朧幻龍
京都に強い憧れを持つ大阪在住の変態女人絵師
蒼龍ファミリーと安倍四兄姉の生みの親

リアルとブログでは性格が真逆
映画GS美神の蘭丸に対して異常な性欲を抱く

好きなもの:にゃてんし、my創作キャラ、七人隊、蘭丸
信じるもの:自分の才能と絵の腕前、安倍晴明と織田信長の威光

秋山澪

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