朧気。 【絆の数珠繋ぎ編】~第弐幕~

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【絆の数珠繋ぎ編】~第弐幕~ 

さらわれた椿を探しに行くべく、一行は隠れ里へと向かった。
その隠れ里に踏み入った犬夜叉達は、四兄姉に勝負を挑まれるが・・・


----------------壱、手掛かり

椿は、強引に隠れ里へと連れ戻された。
当然義理の姉からの仕打ちも受ける。
今度という今度は義理の姉も黙ってはいられず、手を上げた。
長男分の男が、彼女を止める。

椿「--------・・・きゃっ・・・」

?「アンタねぇ、自分が何やったか分かってるの!?禁じられた術を使って死者を甦らせたのよ!!?」

椿「ごめ・・・なさ・・・い・・・」

?「それなのにアンタって巫女は・・・」

?「もうよさないか!!!」

?「だって・・・」

?「椿の処罰は、長男である私が決める。お前達は戻れ」

?「・・・はいはい」

長男分の男は二人を部屋に帰した後椿に目隠しをして、何処かへ誘う。
その場所は・・・晴明邸の何処かに通じる地下牢だった。
牢の中は薄暗く、四人も滅多に近づかない。
椿はその牢獄へ閉じ込められた。

?「お前の処罰は、この地下牢で反省する事だ。安心しろ、食事はちゃんと与える。監視役に空幻を付けるから、何かあれば空幻に申せ。いいな椿」

椿「・・・分かりました」

空幻『ほな、鍵かけまっせ』

空幻はどの場所からでも出入りが自由なので、牢獄の隙間も壁もすり抜けられる。
椿が淋しがらないようにと付き添おうとするが、本人は一人になりたいと言い出した。

空幻『・・・椿はん、寒ぅないか?寒かったら上から布団持ってくるけど』

椿「大丈夫です。・・・それから、一人にしてくれませんか」

空幻『・・・わ、分かった』

空幻が去った後、格子から朱雀が戻って来た。
朱雀は椿の手の甲に乗ると、悲しげな彼女の顔を見つめる。

朱雀『ピー・・・』

椿「大丈夫ですよ朱雀・・・私には貴方がいるから。・・・くしゅん!」

朱雀は羽根を広げて巨大化し、人一人包まれる大きさになり、まるで母親の鳥が雛を守るような体勢で椿を暖め出した。

朱雀『ピルルルル・・・』

椿「羽根の中で温まれって?」

朱雀『ピュイ』

椿「・・・朱雀は私に似て優しいですね・・・」

ふと地上にいる空幻は、遠くの方で起こった気配を感じ取る。
・・・里の結界が、何者かに破られた。
その状況は、牢獄の中の椿は知らない。

空幻『----・・・伝令!!緊急事態や!!!里の結界が、何者かが破りおった』

?「何ですって?!」

?「結界が破られたというのは本当か!?」

空幻『違いない、妖刀のようなモンで斬られた感じやった』

?「誰の仕業なんでしょう・・・」

?「もしかしたら、例の椿を追ってやって来た連中かもしれない・・・。良いか、彼らは椿以外である私達の素顔は知らないハズだ。いつも通りの姿に装え」

空幻『あいあいさー!』

四人はいつも通りの姿に扮し、屋敷の外へ出向いて里人と接し始めた。
一方牢獄にいる椿は、地上での出来事を何一つ知らない。
牢獄にいる状態では、何も出来ない。
なので、椿は朱雀に色々お使いを頼んだ。

椿「(困ったなぁ・・・牢獄は鍵がかかって、朱雀ではないと外の状況が分からない・・・。)あの・・・朱雀、私の代わりに外の様子を見に行って貰えませんか?出来れば犬夜叉さん達に私の閉じ込められている場所と、兄上達の素顔を結びつくように飛んで行って欲しいのですが・・・」

朱雀『ピー』

椿「あとこれ、帰りに梅おばあさまの所で抹茶黒蜜団子3本買ってきて下さい。お金は、巾着袋に入れてありますから」

朱雀『ピャー』

格子の隙間から飛び立ち、朱雀は先に梅ばあさんがいる茶屋まで団子を買いに行く事にした。
丁度その頃、茶屋で犬夜叉達が一服している所だった。

七宝「あぐあぐ・・・ここの団子うまいのー」

犬夜叉「んめぇ、んめぇ」

かごめ「お砂糖使ってないんですね」

梅「砂糖はなるべく使わねーと決めてるで、団子本来の味を堪能してもらいてェとな」

珊瑚「此処で一番オススメの団子って何?」

茶屋の娘「えーっとね、抹茶黒蜜よ」

蛮骨「ババア、その女お持ち帰り出来るかー」

煉骨「出来るかよーーーーッッ!!何考えてんだ、てめーは」

朱雀『ピィ』

梅「ん?おめぇさん、巫女様の鳥っこでねぇか。お使いに来たんか?」

朱雀『ピャー』

茶屋の娘「(椿の朱雀ですって!?)」

犬夜叉「!!?」

梅「抹茶黒蜜3本か・・・ほれ、団子3本お持ち帰り用を」

茶屋の娘「は、はいっ!(何で椿の朱雀が此処に・・・?!)」

朱雀『・・・』

茶屋の娘「あ・・・ありがとうございましたー」

犬夜叉「おい、てめーらいつまで食ってんだ!!?あの鳥追うぞ」

かごめ「えー!?今来たばっかりなのにー?」

弥勒「もう少しゆっくり食べさせて下さいよ・・・」

犬夜叉「そんな暇ねぇだろ!!!」

珊瑚「お団子、ごちそうさまでした」

梅「あいよ」

蛇骨「煉骨の兄貴ー、代わりに払っといてー」

煉骨「だからなんで俺が!!?」

梅「まいどー」

茶屋の娘「・・・。」

一方、椿の実家の上篠神社では里人の祈祷の儀式がされていた。
朱雀の次に向かう方角は、椿の木だった。

神主「これで家内安全にお過ごし出来るでしょう」

里人・夫「ありがとうございます、神主様」

里人・妻「・・・あら、珍しい鳥が止まっているわ」

里人・夫「本当だな」

神主「(・・・!姉上の朱雀じゃないか!どうして此処に・・・)」

朱雀『・・・』

神主「・・・あ、えっと・・・妖怪除けの御札をお渡ししましょう」

里人・夫「うわあっ、妖怪だ!!!」

神主「!?」

犬夜叉「くそっ、何処行きやがったんだ!」

かごめ「あそこよ、木の上に止まって休んでるわ」

七宝「また飛んで行ったぞ!」

朱雀は羽根を休めた後、また何処かへ飛んで行った。
今度は、検非違使の肩に止まった。

蛮骨「チクショウ、あの鳥野郎・・・チョロチョロ飛び回りやがって!とっ捕まえて焼き鳥にしてやる!!」

煉骨「やめろっての!椿の飼ってる鳥なんだぞ」

かごめ「そうよ!」

珊瑚「・・・あ、今度はあの人の肩に止まった」

弥勒「もし・・・そこの検非違使殿」

検非違使「私に何か?」

弥勒「えっと、その肩に乗っている鳥の事ですが・・・飼い主の椿さまという巫女様が住んでらっしゃるお屋敷をご存知ありませんか」

検非違使「・・・実家は上篠神社だが、今は不在だと聞いている」

弥勒「はぁ、そうですか・・・」

検非違使「(この者達・・・もうここまで嗅ぎ付けて来たのか。しかしどうやって・・・?私らは彼らにここまでの居場所を教えていない・・・。・・・はっ!まさか朱雀を使って?!)」

朱雀『ピー』

検非違使「(椿が彼らを此処まで来るように仕向けたわけか。・・・だとすれば、今朱雀がここにいる理由は一体・・・)」

七宝「あっ!また飛んで行ったぞ!!」

犬夜叉「逃がすかよっ!!!」

かごめ「検非違使さん、どうもありがとう」

検非違使「あ、ああ・・・」

犬夜叉達は、朱雀だけを追って走り続ける。
やがて朱雀は、ある大きな屋敷の庭まで飛んで行った。
その屋敷は・・・・・・


-----------------------弐、屋敷住人

かごめ「・・・!」

七宝「大きな屋敷じゃのー・・・」

珊瑚「椿ちゃんの奉公先のお屋敷かな?」

睡骨(善)「しかし実家は神社だと、検非違使さんがおっしゃってたではありませんか」

犬夜叉「何でもいい!とにかくここの屋敷のヤツに、椿の居場所を聞こうぜ」

弥勒「これ、犬夜叉!!」

?「・・・。私の屋敷に、何かご用かな?」

かごめ「え、えーっと・・・あたし達、椿っていう女の子に飼われている鳥を追って此処まで来たんですけど」

?「鳥?ああ、椿の朱雀の事か」

弥勒「椿さまを、ご存知なので?」

?「知っておるとも・・・椿は私の弟子だからね。話なら、屋敷の中でゆっくり聞こう。どうぞ、上がりなさい」

謎の屋敷住人に促され、犬夜叉達は広間にずかずか上がっていった。
屋敷の中は、想像を絶する広さだった。

かごめ「うっわーーーー、広ーい!!」

弥勒「さぞ、金回りの良いご身分でしょうなぁ・・・いでっ」

珊瑚「いい加減その性格捨てたらどうなのさ!?」

七宝「・・・?部屋が四つあるが、椿の他に誰か住んでおるのか」

?「ああ、弟子達のな。困った連中なのだが・・・。せっかくだから、屋敷に泊まってはどうだ?旅で疲れているだろう」

かごめ「いいんですか?」

?「久しぶりの客人だからなぁ、椿もさぞ喜んで料理を作ってくれる。おーい、椿ーー」

屋敷は、しーんと静まり返っている。
椿の部屋に行くと、誰もいない。
だが、草履だけはちゃんとある。

?「・・・変だな、今朝帰ってきたのに」

犬夜叉「今朝だと!?」

?「確か他の弟子と帰って来たのを、この目で見た。仮にお使いに行っていたら、私に一言申して出掛けるはずだ」

かごめ「・・・」

?「私は、外まで捜して来る。すまぬが、留守を頼む」

珊瑚「いいですよ」

かごめは、今まで朱雀の止まった場所を紙に書いて推理し始めた。
これが椿が失踪した事と関係あるのか・・・?

七宝「かごめ、何やってるんじゃ?」

かごめ「今まで椿ちゃんの朱雀が止まった場所を書こうと思って・・・。何か結びつかないかな?」

蛇骨「最初は~、茶店だったよな。んで、次に神社の植木、検非違使の肩だろ?それから最後は、この屋敷」

蛮骨「あ゛ー・・・これがどう結びつくんだよッッ!!全然分かんねーぞ!」

睡骨(善)「止まった場所が違和感ありませんね。相手は一応鳥ですから、何処に止まってもおかしくない」

弥勒「流石に頭のいい煉骨でも、お手上げですか?」

煉骨は、脳をフル回転させて知恵を絞った。
ヒントが出たのか、こんな疑問をぶつける。

煉骨「・・・その前に椿は確か、今朝此処に帰って来たんだよな・・・」

珊瑚「うん、さっきの人の話ではそうだったけど・・・」

煉骨「だとしたら、どうして草履が屋敷にある?仮に出て行ってたら、草履はなくなってるはずだぞ。不自然だと思わないのか」

かごめ「!!」

睡骨(善)「確かに、草履があるのはおかしい・・・」

弥勒「では椿さまは、まだ屋敷の中に・・・?」

煉骨「あいつらの事だ、椿をどこかに閉じ込めているに違いない」

珊瑚「じゃあ、この朱雀が止まった場所はどう説明して結びつくのさ?」

煉骨「俺はあの時、止まった場所以外にその場にいた連中の面も見ていた。鳥っこが来るなり、焦ってる感じがしたけどよぉ・・・。ひょっとしたら、さらった連中の素顔かもな・・・」

弥勒「なるほど」

犬夜叉「さっきの連中の首をひっ捕まえてやる!七人隊は椿を捜せ」

蛮骨「へーへー」

二手に別れ、椿の捜索と犯人捜しに乗り出した。
犬夜叉一行は、朱雀が止まった場所を頼りに逆戻りに走って行った。
まずは、検非違使。
同じ匂いを捜しながら、検非違使をとっ捕まえた。

犬夜叉「おい、そこの検非違使!!」

検非違使「今度は何だ?」

犬夜叉「お前が椿をさらったのか!?どうなんだ!!?」

検非違使「・・・すまぬが、ここでは迂闊に公言出来ぬ。他の二人を集めて来たら話そう」

犬夜叉「・・・逃げねぇって約束するか!?」

検非違使「約束は守る・・・ただし、お主らにも私の約束を守ってもらう」

犬夜叉「いいだろう!男に二言はねぇっ!今から連れてくっから、屋敷の前で待ってろよ!!?お前ら、コイツが逃げないように屋敷まで連れて行け」

かごめ「はいはい・・・」

弥勒達に取り押さえられながら、検非違使は屋敷まで連行された。
本当に逃げる気はないらしく、かごめ達の質問にも応えてくれた。

かごめ「・・・あのっ、本当に椿ちゃんをさらった4人組の1人ですか?」

検非違使「まぁな」

かごめ「どうして椿ちゃんをさらったの?」

検非違使「さらったのではない、連れ戻しに来たのだ」

珊瑚「何の理由で?」

検非違使「数日前椿は、死人を甦らせた。それも禁じられた術を使い、自分の寿命を死人に渡した。甦らせた後、姉にぶたれるのが怖くなって逃げ出したらしい。・・・私は、叱るつもりはなかったんだがな」

弥勒「姉?」

茶屋の娘「・・・きゃっ!!何するのよいきなり!痛いじゃないの」

検非違使「そうそう、この茶屋の娘が椿をぶった義理の姉の帝だ」

帝「ひ、博雅!どうして此処に?!」

博雅「あの半妖に今回の事がバレてしまったようだ」

帝「ええっ!!?」

犬夜叉「ほら、全員連れて来たぞ!さっさと白状しやがれ」

博雅「・・・分かった、しかしその前に------」

屋敷に戻ってくるなり、博雅は勾玉を片手に青龍を召喚した。
そして、別の装束を纏って現れる。

青龍『ギャーーーーーーーーーース!!!!』

全員「!!」

博雅「貴殿の実力がどれほどのものなのか、拝見させてもらう。私達の持つ四神を倒す事が出来、誰か1人でも生き残れたら・・・椿を牢獄から出してやる。・・・ほら、お前達も四神を呼び出せ」

帝「仕方ないわねー・・・出ておいで、白虎」

燕「玄武、出番ですよ」

白虎『ミャ゛ーーーーーーーウ゛』

玄武(蛇)『シャーーーーーーーー』

犬夜叉「面白れぇ・・・3体まとめて倒してやらあ!!!!」


----------------------参、大暴れ

一方、椿を捜し回る七人隊は屋敷が広い余り銀骨に乗って探し回っていた。
庭は大抵捜したが、やはりいない。

蛇骨「何であれだけ捜してもいねぇんだよ!?あいつら何処に女を隠しやがったんだ!!」

銀骨「ぎしー、ぎしー」

睡骨(善)「あと捜していないのは、この宝物殿だけですが・・・鍵がないと入れないみたいですね」

蛮骨「んじゃ、力ずくで扉を壊すか」

煉骨「やめろっての!!!怒られるのは俺達なんだぞ!!?」

?『兄さん方何捜してはるんや~?』

蛇骨「あっ、狐女の幽霊!」

空幻『狐女ちゃう!空幻や』

背後を振り向くと、椿をさらった空幻がふよふよと浮いている。
蛮骨は空幻をひっ捕まえ、尋問した。

蛮骨「おい、あの巫女を何処に隠しやがった!?言わねぇと、蛮竜で首を刎ねるぞ!」

空幻『教えてあげてもええけど、ウチの出す謎かけに答えられたら場所まで案内したる』

蛮骨「よ、よし!」

空幻『問題。”博雅はんは、ある事でお金を使ってしまいました。では、何を買ってお金を使ったんでしょう?」

蛮骨「んーっと・・・女を買い漁った」

空幻『ブッブー』

蛇骨「団子を買い漁った」

空幻『ブッブのブー!全然答えになってへんわ!!』

煉骨「答えは・・・大仏を買ったんだろ」

空幻『せ、正解や』

蛇骨「えー?何で答えが大仏なんだよー!?」

煉骨「”大仏買った”の文章をゆっくり言ってみろ」

蛮骨&蛇骨「だいぶつかった・・・大仏買った・・・大分使った・・・。」

蛮骨「本当だ、答えが大仏買ったになるー!」

煉骨「(ったく、どこまでお頭が幼稚で止まってるんだよ・・・!!)・・・約束だ、椿のいる場所まで案内しろ」

空幻『しゃーない・・・ウチの後ついてきなはれ』

空幻と七人隊がやって来た場所、それは・・・晴明の部屋だった。
部屋の中を見渡せば、何処にも椿らしき人影はいない。

空幻『ここや』

睡骨(善)「あれっ・・・此処・・・」

蛇骨「さっき捜した部屋じゃねーか」

蛮骨「てめー、嘘ついてんじゃねーよ!此処はさっき俺らが捜したんだぞ!!」

空幻『・・・ほな、閉じ込められてるっちゅー隠し通路への入口は捜しはったか』

煉骨「か、隠し通路の入口?!」

掛け軸のある部分を捲ると、そこには大の大人一人通れる入口がぽっかり開いていた。
残念ながら、銀骨は通れないようだ。

空幻『鋼の兄ちゃんは此処で待っといてもらおうか。この通路は、成人男性と女性しか入られへんねん』

銀骨「ぎしー」

空幻『・・・下は真っ暗で、足場は梯子だけやさかい、ウチが先頭になって明かりを灯すからゆっくり降りて来るんやでー』

言われるがまま、銀骨を省く四人は梯子を伝って慎重に降りて行く。
大体、20mはあるだろう高さだった。
先頭にいた空幻は小さな狐火で、暗闇を照らす。

蛮骨「なぁ、こんな通路誰が何の為に作ったんだ?」

空幻『ここの屋敷主人・晴明はんの父親の、更に先代が趣味で作ったんやって。その先代はな、大の地底探検好きで”いつか此処に住む孫や弟子達の為に、変わった事をしてやる”言うて、建築士呼んで特別に隠し通路付きの屋敷を建てたそうや。丁度この通路は、宝物殿と繋がってる』

睡骨(善)「今でもこの通路は使われているんですか?」

空幻『敵から奇襲に遭って、逃げる時によぅ使ってるでー。最近は使ってへんけど・・・』

暫く歩くと、宝物殿の内の1ヶ所だけ設置してある牢獄だらけの場所に辿り着いた。
牢獄の中は薄暗く、どの場所も小窓1つしかない。
その中に、椿が閉じ込められていた。

煉骨「・・・椿!」

椿「煉骨さん、やっと来てくれた・・・」

煉骨「遅くなって悪かった・・・今出してやる!」

空幻『カッコええ事言うてる所悪いんやけど、鍵ないのにどうやって開けるんや?鍵はウチが持ってんねんけど』

煉骨「じゃあさっさと開けろよ!!」

急にその場の空気が重くなった。
鍵を持っている空幻は、鋭い視線で煉骨を睨みつける。

空幻『・・・残念やけど、それは出来ない』

煉骨「な・・・何でだよッッッ!!?」

空幻『椿はんは今謹慎中の身で、逢わす事は出来ても出してあげられへん。・・・言うたやろ?場所までしか教えないって』

煉骨「・・・椿が・・・何したってんだ・・・。牢獄に入るような悪い事してねぇはずなんだぞ!!」

空幻『いいや、椿はんは悪い事しはった。巫女としては大罪にあたる罪で、自分の寿命を使ってアンタら死人を甦らせたからな!』

全員「!!?」

蛮骨「俺達が今生きているは、こいつの寿命・・・だったのか・・・」

椿「・・・」

空幻『椿はんは、巫女長をも認める実力の持ち主で・・・陰陽師でも出来ないような事をやってのけるようになった。それをいいことに、禁術使って死人で傭兵の兄さん達を生き返らせてしもた・・・。本来なら巫女のいる神殿で謹慎90年の刑やけど、それを博雅はんは自分が反省するまでって言うて罪を軽くしてくれた。せやから、今こうして牢獄の中におるわけやねん』

椿「・・・私は巫女でありながら、力の使い方を誤ってしまった。今回の事を十分反省するまで、当分牢獄の中にいるつもりです」

蛇骨「お前・・・」

煉骨「おい狐女、椿を出してあげられる方法はないのか!!?」

空幻『・・・一つだけある』

蛮骨「何だ?!」

空幻『地上で暴れてる、三人の連れてる四神を倒す事や。あの三人は連れてる四神を自分より強い者が倒すと、実力者と認めるねん』

蛮骨「・・・へっ、面白そうじゃねーか。お前ら、地上へ戻って犬夜叉共に加勢すっぞ!!」

睡骨(善)「私は動物の殺生を好まないので、蛮骨さん達だけでお願いします」

蛮骨「おうよ!!」

椿「気をつけて下さいね・・・兄上達の四神は、とても強いですから」

煉骨「俺達はそんじょそこらの傭兵とはちげぇからよ、なぁに・・・大船に乗ったつもりで待ってろ」

椿「・・・はい、あなた方が勝つのを信じて待っています。その前に煉骨さん、ちょっと私の傍まで来てくれませんか?」

煉骨「何だ」

椿「くれぐれも燕の挑発に乗って、神経を逆立てしないように・・・。燕の挑発を上手く回避するには・・・ごにょごにょごにょ・・・」

煉骨「・・・分かった」

空幻『宝物殿への出口は、ここを真っ直ぐ行ったらええ。・・・忘れんといて、ウチはらは兄さん方の味方やからな。何かあったら、ウチだけでも助けに行くさかい』

蛮骨「ありがとよ」

地上では、犬夜叉達と四兄姉の三人が戦っていた。
犬夜叉は特に青龍に梃子摺っている。
どんなに技を繰り出しても、すぐに返されてしまう。

犬夜叉「くらえぇッ・・・爆竜破ーーーーーーーー!!!」

博雅「弾き返せ」

青龍『ギャーーーーーーーーース!』

犬夜叉「なっ・・・!うわーーーーーーーー」

かごめ「犬夜叉ーーーー!」

帝「ふふっ、ぼやぼやしていると白虎に引っ掻かれちゃうわよ?」

かごめ「・・・!?きゃああああッッ・・・」

犬夜叉「か、かごめーー!しっかりしろ」

かごめ「ごめん犬夜叉・・・油断しちゃった・・・」

燕「・・・これで残りは、そこの子狐と貴方だけですね」

帝「驚いたわ、半妖のくせに強いのね~」

博雅「青龍と互角に張り合うとは・・・しかし、青龍を倒すにはまだまだ程遠い」

七宝「・・・どうするんじゃ犬夜叉、あの生き物・・・。1体だけでもめちゃくちゃ強いぞ」

犬夜叉「くそぅ・・・こんな時に蛮骨達がいてくれれば・・・」

蛮骨「俺らが何だって?」

七宝「し・・・七人隊!!」

蛇骨「よぉ、加勢しに来てやったぜっ」

かごめ「所で、椿ちゃんの居場所は分かったの?」

煉骨「この屋敷の地下牢に閉じ込められている・・・」

弥勒「あの3体は、とてつもなく強い・・・。我々では、全く歯が立ちませんでした・・・」

珊瑚「アンタ達だけで勝てるの?」

蛇骨「おいおい~、俺らを誰だと思ってやがる・・・天下の七人隊様だぜぇ?!あんな猫と蜥蜴と亀、大した事ねぇっての」

蛇骨の一言で、逆に怒りを買ってしまった。
その所為で、四神達が激情し始める。

帝「あたしの白虎を・・・猫と呼んだわね・・・!!?もう許さないんだからっ」

白虎『フーーーーーーーーー!!』

燕「構うもんかっ!玄武!!」

玄武(蛇)『シャーーーーーー!!!』

博雅「青龍を侮辱した事、後悔させてやる・・・。やってしまえ、青龍」

青龍『ギャーーーーーーーーーーーーーーーース』

七宝「アホーーーーーっ、何怒らせとるんじゃーーー!!」

まずケンカに買って出たのは、白虎だった。
怒り浸透してなのか、攻撃態勢の区別がつかず、蛇骨に突進を仕掛ける。
だが、油断して蛇骨刀に絡め取られやられてしまった。

蛇骨「猫は猫らしく・・・マタタビでも食ってな!!!」

白虎『!!!?』

蛇骨「秘儀・蛇骨刀投げーーーーー!」

白虎『ミャ゛ーーーーーーーーーーーウ・・・』

帝「びゃ、白虎ーーーーーー!!」

煉骨「(なるほど、挑発を利用して油断させる作戦か・・・。よし、俺も・・・)おい、そこの----」

燕「貴方の頭・・・タコみたいですね」

煉骨「・・・」

ぷちん・・・と、煉骨の怒りの神経が切れた。
逆に彼が、挑発に乗せられる。

燕「今は冬ですよー、頭に湯たんぽでもお乗せになってはいかがです?あ、それでは茹でタコになっちゃいますかー・・・あっはっはっはっは」

七宝「あやつ、悪口言うのが上手いのぅ・・・」

煉骨「(堪えろ、堪えるんだ俺・・・椿の言った作戦を思い出すんだ・・・!)」

椿『”いいですか?燕が貴方に対して挑発するような事を言ってきたら、こっちも言い返すんです。例えば・・・私と付き合い始めたとか・・・”』

煉骨「(本当に効くんだろうか・・・?でも、試しに言ってみるか・・・)俺をからかって楽しんでいるみてぇだが、お前の姉貴の椿は・・・俺が娶った」

燕「・・・。今・・・なんと・・・?」

煉骨「め、娶ったっつってんだよ!(本当はヤってないけど・・・)」

燕「な・・・んだとォーーーーーーー!!!?」

煉骨「!!?」

燕「・・・いい根性してますね・・・ふふ、いいでしょう・・・妖刀の餌食にしてくれる!!!」

煉骨「くっ!」

燕が鞘から刀を抜くと同時に、咄嗟に煉骨は砲筒を楯代わりに使った。
だが、いとも簡単に斬られてしまったではないか。

煉骨「・・・!お、俺の砲筒が・・・」

燕「妖刀・黒金は、鋼をも斬り裂く。何故ならこの刀、玄武の尾の鱗から出来てますからねッッッッッ!」

煉骨「(まずい・・・武器が瓢箪しかねぇ!他に何か・・・何かねぇか・・・!?・・・何だこれ)」

燕「何処へ逃げた・・・!?出てこないと酷いですよ!」

煉骨「(こんなモン、何の役に立つんだ!!?)」

煉骨は、ただひたすら妖刀から逃げる。
対抗しようにも武器は、油の入った瓢箪しかない。
これだけでは何の役にも立たない・・・そう思った瞬間、鎧の中を探ると人型の紙が出てきた。
1枚は髪の毛が挟んであり、もう1枚は何もない。
苛立ちと共に人型の紙を投げ捨てると、椿に変わった。

式神椿『・・・お呼びでしょうか』

煉骨「!!?」

式神椿『私は式神の椿です。貴方と会話している時、鎧の中に式神をこっそり主人がお入れになりました』

煉骨「椿が?何の為に」

式神椿『貴方の身を守る為にです。時間がありません、玄武を倒す方法を言いますからよく聞いて下さい。あの妖刀を打ち砕く方法は、玄武の甲羅で折らせればいいんです』

煉骨「なるほど・・・でもどうやって玄武に近づけばいいんだ」

式神椿『近づくのは貴方で、妖刀の餌食になるのは式神を楯にすればいいかと・・・。まず貴方の式神を作ってください』

煉骨「(髪の毛ねぇから、代わりに服の切れ端をくくり付けて・・・)こんなもんか」

式神椿『上出来です』

煉骨「出て来いッッッ、俺の式神!!」

式神煉骨『・・・呼んだか』

煉骨「何から何までそっくりだな。お前、俺に代わってあのガキの相手をしてこい」

式神煉骨『えー?何で俺がぁ~・・・お前が行けばいいじゃねーかよ』

煉骨「・・・あの、コイツ全然言う事聞かないんですけど・・・」

式神椿『貴方は彼の式神なんですから、ちゃんと主君の言う事聞かなきゃダメじゃありませんか』

式神煉骨『・・・はいはい、椿に免じて従ってやるよ』

式神椿『私と彼が囮になって斬られますから、その隙に玄武を餌付けさせればいいです。これ、玄武の餌』

式神煉骨『しくじったら承知しねぇからな!!』

二人は燕に向かって駆け出し、真っ向から勝負を挑む。
燕は檻にいた椿を本人と思い込み、疑問を投げ掛ける。

燕「姉上・・・!このハゲに娶られたって本当ですか!?」

式神椿『・・・本当ですよ』

燕「どうして・・・どうしてこんな男を愛したんです!!!?」

式神椿『どうしてって・・・好きになったからに決まってるじゃありませんか』

式神煉骨『憎いか?憎いだろ・・・殺してもいいんだぜ』

燕「!!!!!ゆ・・・許さない・・・!姉上も僕を捨てるなんて・・・二人まとめて地獄に送ってやるーーーーーーーーーー!」

式神に刃が食い込む。
その戦いを見ていたかごめ達は、目を伏せた。

かごめ「・・・椿ちゃーーーーーん・・・いやああああああ」

蛇骨「兄貴ぃーーーー・・・!!」

燕「はっ・・・はははっ・・・ははははははははははは!!!」

玄武を餌付けした後、本物の煉骨は木陰から現れた。
気の動転した燕は、斬った煉骨を式神と見破る。

煉骨「何狂ったように笑ってやがる?俺は生きてるっての」

燕「何っ!?(さっき斬ったのは・・・式神!!)く・・・くそうっ!!」

煉骨「!!」

再び煉骨は駆け出し、玄武の間近まで転がって避けた。
甲羅の硬さで、妖刀が真っ二つに折れる。
妖刀で斬られた玄武は、その場で倒れ込む。

玄武(蛇)『シャーーーー・・・』

燕「げ・・・玄武ーーーーー!!」

煉骨「あ、危なかった・・・」

珊瑚「やった!」

七宝「これで残りはあの龍だけじゃ!」

犬夜叉「・・・あとは、てめぇの連れてる蜥蜴だけだぜ・・・」

博雅「・・・」


                   【絆の数珠繋ぎ編】第弐幕、終
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プロフィール

朧幻龍

Author:朧幻龍
京都に強い憧れを持つ大阪在住の変態女人絵師
蒼龍ファミリーと安倍四兄姉の生みの親

リアルとブログでは性格が真逆
映画GS美神の蘭丸に対して異常な性欲を抱く

好きなもの:にゃてんし、my創作キャラ、七人隊、蘭丸
信じるもの:自分の才能と絵の腕前、安倍晴明と織田信長の威光

秋山澪

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