上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
------1、ドキっ!蒼龍だけの廃城経験
京都に再び、暑い夏がやって来た。
夏の一大イベントと言えば花火大会、お祭・・・そして忘れちゃいけないお化け屋敷に怪談。
姫乃の学校も夏休みに入ったが、柔道の合宿の為一週間ほど神社に勤務出来ない。
葵も家族で旅行中・・・よって今神社にいるのは、むさッ苦しい男3人と狗姫だけだ。
翔「はぁ~、葵ちゃんも家族で旅行か~・・・。なぁなぁ、俺らもどっか行かねェ?」蒼龍「行くって何処に」翔「決まってるじゃん!!美人なお姉さん達のいる海水浴場」狗姫『海か!?妾も海行きたいぞよ』蒼龍「海ねェ・・・海嫌いだ俺、泳げないし」魔愚那「じゃあ、川にします?マイナスイオン豊富ですし」蒼龍「だったら、戦国時代の川に行こうぜ!!あそこなら人いないし」翔・魔愚那「賛成!!」
狗姫『賛成じゃ』結論。
蒼龍達は魔鏡を使って、戦国時代の川に移動した。
予感的中・・・川には誰もいない。
4人は着替えの入った鞄から水着・ビーチボール等を出して泳ぎ始める。
狗姫『ふぅ~~、水が冷たくて気持ちよいのぅ♪』翔「おーい、川原バレーやろうぜー!?」魔愚那「いいですよ」蒼龍「負けねェからな!」勢いよく狗姫は、ビーチボール片手に投げる。
それが運悪く、遠くに飛んで行ってしまったではないか。
仕方なく蒼龍は代わりにボールを追いかける。
ボールを追いかけた矢先、目の前に謎のお城が建っている。
蒼龍「(こんな城建ってたんだ・・・)・・・?誰かいる」すると城の天守閣で綺麗な女性が蒼龍に向かって手を振っているではないか。
蒼龍もお返しに手を振った。
蒼龍「(えへへ・・・ちょっと美人かも)」狗姫『慈父ーー、翔が今夜は此処で野宿しないかって翔が誘っておるー!』蒼龍「おう、すぐ行くーー」間もなくして、狗姫が呼びに来る。
そして蒼龍が振り返った後、女性の姿は既になかった。
蒼龍「(あれっ、さっきのお姫様消えちゃった)」その日の夜。
一度現世に帰って食料調達をして、戦国時代でキャンプする事になった。
バーベキューにキャンプファイヤー、更に怪談話をやったりして盛り上がる。
狗姫は疲れたのか、蒼龍の膝ですやすや眠っている。
翔「じゃあ、明日も早いしそろそろ寝るか」魔愚那「おやすみなさい」蒼龍「おう、おやすみ」別々に別れた後の事。
蒼龍は昼間のお姫様の事を思い出し、一人で懐中電灯片手に城へ向かう。
丁度其処へ、誰かと鉢合わせになった。
帝だ。
帝「あら、誰かと思えば蒼龍じゃない。こんな夜中に何処か行くの?」蒼龍「おう、あの城にちょっと・・・」帝「お城・・・?(この近くにお城なんてあったかしら?)よく分からないけど、気をつけてね。この森近辺に妖怪が出るらしいから」ここで再び、二手に別れた。
帝が向かった場所は、蛮骨のいる小屋。
そこである話が持ち込まれた。
帝「お待たせ蛮骨。で、大事な話って何?」蛮骨「ああ、それは・・・お前との子作りの話で・・・」帝は問答無用に蛮骨をグーで殴る。
改めて蛮骨は、帝に大事な話をする。
蛮骨「・・・今のは冗談、今度の話は本当だ。何でもこの付近に美しい姫に化けて美男子を喰らう妖怪がいるらしくてな、俺の所に依頼が回ってきた」帝「美しい姫・・・?その妖怪の巣窟って分かる?!さっき蒼龍がお城に行くって言ってたのよ」蛮骨「そうだなぁ・・・その胸揉ませてくれたら教えてやる」帝は再び間髪入れずに、蛮骨を殴った。
場所を教えると、帝は一人で城に向かう。
だが、何処にも城らしき所は見当たらなかった。
その翌日、帝は翔と合流して蒼龍の行方を聞いた。
魔愚那「えー!?管理犬さんが行方不明!!?」帝「そうなのよ、何か知らない?」3人は昨日の記憶を探るが、やはり見当がつかない。
するとテントの天辺から蜘蛛になった蘭丸が現れ、会話に乱入した。
蘭丸『私、昨晩お館様を目撃しました』翔「本当か蘭丸!?」蘭丸『ええ、この森の裏側にある古い城に入っていくのをこっそり見てましたから間違いありません』全員、その例の城に向かった。
------2、城の城主は・・・
蛮骨、帝も交えて蒼龍捜索が始まった。
城の中は昼間でも薄暗く、天井には蜘蛛の巣や埃がある。
暫く進んでいくと、狗姫が何かを踏んだ。
狗姫『いたたた・・・何か踏んでしもうた・・・』帝「大丈夫?狗姫ちゃん。何踏んだのかちょっと見せて・・・。!!!」帝は狗姫の踏んだ物を見て驚いた、人の・・・骨。
他にもゴロゴロと頭蓋骨や骨が転がり、散乱していた。
翔「これって全部・・・人間の骨か!!?」魔愚那は骨の一部を手にとって、調べ始める。
そして驚くべき言葉を口にする。
魔愚那「この骨は全て・・・男性の白骨死体です。よって此処は、妖怪の巣窟・・・。管理犬さんの行方不明、蛮骨さんに来た依頼の情報を調べれば全ての合点がいくのは明白。彼は必ず、この城の何処かにいるハズです。妖怪が現れないうちに捜しましょう」二手に別れて蒼龍を捜すが、やはり何処にもいない。
天守閣に着いた時、狗姫が何かを感じ取った。
狗姫『・・・!この部屋から声がする!!』魔愚那「でも、此処は全部捜しましたよ?」翔「後捜していないのは・・・畳!」全員は畳を全て裏返し、その光景に再び驚いた。
畳の裏側全てに、生きている男性が繭に包まって閉じ込められている。
そしてその中に気絶した蒼龍がいた。
狗姫『慈父!慈父、返事をしてたもれ!!』魔愚那が胸に耳を当てて、脈を確かめた。
魔愚那「・・・大丈夫、気を失っているだけです」帝と蛮骨は繭に包まれている美男子を全て救い出し、話が出来る人間にどうしてこうなったか聞くことにした。
美少年「あれは今から数ヶ月前、城に一人の綺麗なお姫様が住み始めたんだ。村の美男子達は姫乃の婿になる為城に通い詰めたが・・・その次の日、城に行った美男子が一人も帰って来なかったって」
翔「それから・・・?」美少年「その人達は、此処の蛾妖怪・霞蛾姫(かすみがひめ)に食われたんだ!!」
蛮骨「霞蛾姫・・・。そういえば俺に依頼をした城の城主も、その妖怪の名前を口にしてやがったな」帝「どんな妖怪なの?」蛮骨「綺麗な姫に化けて城に誘い込むって話だ。一部の話では、死んだ姫に妖怪が憑いたって説もある」魔愚那「どうやったら倒せます?」蛮骨「知らねェよ、そこまで聞いてなかったんだ」次の瞬間、城壁から巨大な羽根を広げた蛾の女が新たな獲物を掴んで戻って来たではないか。
この状況は・・・マズ過ぎる。
翔と魔愚那は気絶している蒼龍を担ぎ、帝と蛮骨は動ける男だけ非難させた。
妖怪は鱗粉をぶち撒けて、全員を動けなくした。
霞蛾姫『妾の城から逃げられると思うな・・・?フフフフフ』
翔「くっそう・・・身体が痺れて動けねェッ・・・」魔愚那「このままでは全員・・・あれっ?!帝さんと狗姫は動けるんですか!!?」帝「???そういえば効いてないみたい・・・」狗姫『こやつの鱗粉は、男しか効かぬようじゃな』身体の自由が利く帝と狗姫は、攻撃態勢に入る。
狗姫は男達の手を引いて、城内へ脱出。帝は、一人で戦う。
・・・が、御札も術も通用しない。
帝「(どうしよう・・・御札が効かないわ!)」一人で城から逃げ延びた狗姫は、他に助ける方法が無いかと必死で考える。
そこで、ある名案が浮かんだ。
狗姫『(今頃帝殿は一人で戦っておるに違いない!・・・でも、どうすれば・・・?あの妖怪が嫌いなのは女子・・・)そうじゃ!!』城の中では、遂に帝まで捕まってしまった。
もう、救う手立てはないのかと思った矢先・・・
村人を非難させた狗姫が戻って来たではないか。
狗姫は気を失っている蒼龍の額に、自分の額をわざとぶつけた。
翔「狗姫・・・何するつもりだ?」魔愚那「(まさか・・・!!)」霞蛾姫『小娘、貴様から先に始末してくれるわ!!!』
狗姫『じ・・・慈父ーーーーー!!!』次の瞬間、蒼龍を閉じ込めていた繭が粉々に砕け女の蒼龍が現れた。
蒼龍(♀)「おい、その汚い腕を離しな・・・」女蒼龍の手には、太刀に変化した妖筆が握られている。
尚も離さない腕を、蒼龍は構わず一閃して蛾妖怪の腕を切り落とした。
狗姫『慈父、気が付いて良かったのじゃ!』蒼龍(♀)「後は俺がやる、お前らは避難してろ」腕を切り落とされた妖怪は蒼龍目掛けて、鱗粉を放った。
だが、裾でガードしていたのであっけなく交わされる。
霞蛾姫『おのれェェェェ・・・!!もう許さぬ!!!』
蒼龍(♀)「今度は俺の番だ!!一閃乱れ斬り!」蛾の妖怪は粉々にされ、蒼龍の刀捌きで事件は一件落着した。
その後、蒼龍宛に天上界から手紙が届いた。
犬神『おーい、お前宛に手紙が来てるぜー?霞姫って子から』蒼龍「俺宛に?」姫乃「誰なん、霞姫って・・・?!まさか浮気相手!!!?」蒼龍「そんな訳ないじゃん、あははは」姫乃「ちょっと手紙見せてみィ!!?」蒼龍「ああっ!」姫乃「”拝啓、蒼龍様。先日は私の魂をお救い頂き、真に感謝しております。その意を表して、貴方様に贈り物を捧げます。あ、この券は私共花魁が経営する遊郭の無料券ですわ
今度は殿方の皆さんとお越しやす
・・・ふんッ!!」蒼龍「あぁ~~~・・・俺のタダ券がぁ~・・・」姫乃「いい気味や、ちょっとは反省しィ!!」姫乃は力を入れて、蒼龍宛の手紙を真っ二つに破いた。
その手紙の裏には、霞姫にしっかりデレついて酔っ払っている蒼龍が描いているのだった・・・。
END